将来的に、医療にロボットが多様されていくことは分かっていますが、医療にクラウドソーシングを使う動きも活発化していきそうです。
CrowdMedは、医療におけるクラウドソーシング。
利用方法は簡単です。ユーザーが匿名で自分の症状、家族について、病気に関する情報をアップロードします。
すると、CrowdMed内のコミュニティーが、その情報を元に病気を特定しようとするわけです。CrowdMedには、次のように患者さんの情報が並んでいます。
気になるカルテをクリックすると詳細情報が確認でき、自分が思う病気に投票をしていくシステムです。
ちなみに、患者がCrowdMed上にケースを投稿する費用は199ドルですが、結果に満足を感じていない場合は、払い戻される仕組みになっています。
スタンフォード大学の医学部もこのCrowdMedを利用しており、20例を約700人のコミュニティに診断させ、実際の現場での治療に役立てたとのこと。
一方、CrowdMed側は、医療の専門家とCrowdMedを完全に代替していくとは考えていません。CrowdMedは、医者や患者のための重要な参考情報の1つになることを目指しているとのこと。うん、これは世界的に普及していきそうですね。
今、私たちの仕事は4つの問いに明快に答えられなければならないタイミングに来ています。
「どの仕事を社内の従業員に任せるのか?」
「どの仕事を管理職が行うのか?」
「どの仕事をロボット及びコンピューターに任せるのか?」
そして、「どの仕事をクラウドソーシングを使って行うのか?」
このタスクデザインは、医療の分野にも広がってきていきそうです。
重要な決断の際に、クラウドソーシングを利用する時代
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CrowdMedの創業者は、妹の病気の診断に大変な苦労をした経験を持っていて、それがきっかけでCrowdMedを創業したようです。
16人の専門医に妹を診断してもらい、そこには医療費として10万ドルをかけたそうです。しかし、各医師は、結局彼女の病気を特定することができませんでした。そして、最終的に彼女は15,000人の女性に1人という稀な病気であると診断されたのです。
この正しい診断がされた後は、簡単な治療で回復したようですが、それまでに、彼女はほぼ3年間苦しみ続けたとのこと。
世界中で3億5,000万人以上いる患者のうち約8%は、診断の難しい7,000の疾患に苦しむ人々。まさにここをクラウドソーシングを利用して解決していくということですね。
そして、これを見て感じることは、このシステムはあらゆる業界に応用可能だということです。
例えば、ある経営者が難しい経営判断に迫られたとします。そこに、経営者が集まるクラウドソーシングがあり、数百の参考意見を収集できるサービスがあったらどうでしょう。
規模や業界別に別れており、その中日本中、世界中の経営者に経営判断の参考となる情報をクラウドソーシングから得られる仕組みがあったら?
これは、1つのアイデアですが、今後このようなサービスは生まれてくると思っています。
今後もこのクラウドソーシングの動きは要注目です。