昨日は、ある雑誌コンテンツとなるの座談会の司会役を担当。その座談会には、由紀精密の3代目・大坪正人常務が参加。由紀精密は、精密切削加工が本業、航空・宇宙業界にも積極進出をする注目の研究開発型 町工場です。
そして、大坪さんは、今注目を集めるデザイナーと町工場を繋ぐものづくりプロジェクトBRANCHの共同創設者でもあります。
BRANCH仕組みは、こうです。自身のデザインを製品にしたいと考えるデザイナーと、遊休設備のある工場が組んで、新しい製品を作り上げ販売していくというもの。
短期で売り切れになる製品も続出し、売上は順調に伸びているようです。また、海外からの引き合いのある製品も順調に出てきているとのこと。
WEBサイトにあった、コンセプトが良い感じなのでご紹介。
植物の「枝」が幹と葉を繋ぐように、BRANCHは町工場とデザインを繋ぎます。
「モノ」をつくるから「価値」を創造する工場へと進化させることが我々のミッションです。
デザインと技術をトレードし、最小のリソースで価値を最大化するデザインプロジェクトです。
「BRANCH」の名前の由来
「BRAIN」 + 「CHANNEL」
工場とデザイナーがお互いに知恵を出し合い、デザインや技術を世の中に発信して行く事を表しています。
引用元: ABOUT BRANCH.
例えばこちらは、BRANCHから発売されている、空のワインボトルを利用するコンパクトデジタルカメラ用のカメラマウントTIPSY。
こんな風に使います。おしゃれ〜。
BRANCHブランドだけではなく、工場を全面に押し出した「Factory Label」も作っています。
こちらのResiinaシリーズは、株式会社ミヨシがFactory Labelで発売した、板チョコの形の設計補助ツール。写真で見たら、完全にチョコレートです(笑)
若干デザイナーの数が不足気味らしいですが、遊休設備がありオリジナルの製品を作り販売していきたいと考えている町工場さんは、BRANCHに連絡すると良いかもしません。
今後は、日本に新しい町工場のネットワークを作り上げていきたいとのこと。楽しみです。
日本のこれからの”ものづくりの可能性”を再確認
photo credit: taggyface via photopin cc
由紀精密には、今非常に優秀な方々が入社を希望してくるそうです。そういった方々には、どんどん創造的な仕事をしてもらうようにしているとのこと。
大坪さんの話を聞いていて、「これからの町工場は熱いな」と改めて思いました。
デジタルファブリケーション時代に、無数に登場してくる「1万個市場」。ここを牽引するのは、またしても日本企業!となる可能性は十分にある。
日本の工場は、生産ラインを自在に組み替えるという強力な力を持っており、由紀精密も仕事として、数十個から数百個単位の製品を多く出荷しているとのこと。ニッチな市場にも十分対応できてしまいます。
新しいアイデアと町工場の技術が、最適化されてつながった時、新しいスパークが生まれる。そこには今までになかった価値が生じ、新しい時代の空気が生まれていくのでしょう。