進化する自動販売機。来ますよ、スマート自販機のイノベーション。
「Pantry」は、弁当やサンドイッチ、サラダなど新鮮な食事を自販機で提供できるシステムを提供しています。これまで自販機と言えば、飲み物やお菓子やパン類など、比較的保存のきく食材が中心でした。
今後はテクノロジーの進化により、鮮度が大切な料理の自動販売機による流通が広がっていきそう。
Pantryは無線チップ・RFIDタグを利用して、製品の消費期限を監視することはもちろん、廃棄する食品のデータ管理や提供者がどれだけ生産をすべきかなどの意思決定を支援してくれます。料理を作るところが営業時間外でも、24時間いつでも鮮度を保った料理を提供できるようになるわけです。
現在はオフィスや病院に、このシステムを提供しているようですが、今後は自動販売機が置かれるようなあらゆる場所にスマート自販機を置くように計画中。
また廃棄食材を減らすため、小売り店や家の冷蔵庫にまでも、この技術を導入してきたいと考えている模様。
そしてスマート自販機は、どこにでも置ける”無人のスマートコンビニ”のような広がりを持ったコンセプトに進化し、社会にインパクトを広げるのかもしれません。
地域のお母さんの味が提供されるインフラへ
PHOTO: PHOTO: box with sushi and rolls from Shutterstock from Shutterstock
以前ご紹介したオーガニックサラダの自動販売機を手がける「Farmer’s Fridge」は、地元のオーガニック野菜を使う地産地消を意識したモデル。
【参考】
・地元のオーガニック野菜で作ったサラダを自販機で提供する「Farmer’s Fridge」
今回のPantryの例も含めて考えてみると、近未来は”地域のためのスマート自販機”が多数登場してくる可能性があります。
現在、地域で野菜や海産物などの生鮮食品を販売しようとすれば、農協や市場に持っていくことが大半です。しかし今後は、以前ご紹介したような「RipeNearMe」のようなサービスが広がり、生鮮食品を購入する際の1つの選択肢となることでしょう。
「RipeNearMe」は地域の農産物を売買したり、交換したり、贈与するプラットフォーム。畑を持つ人、また裏庭でちょっとだけ野菜を作っているような人はもちろん、柿の木だけあって「いつも食べきれないから近所の人持っていって!」という声にも対応します。
(中略)
SNSのような感覚でプチトマトを作っている地域の人と友人としてつながったり、また食べ時、収穫タイミングも分かる仕組みになっています。例えば先方に「あ!収穫時期だ!自分でもぎに行きます!」なんてメッセージを送れるわけですね。
引用元: 自分のマイクロ農場を地域に持とう!農産物の共有プラットフォーム「RipeNearMe」 | Social Design News【ソーシャル・デザイン 公式サイト】.
そして、次は加工された地域のお弁当やサラダなどが地産地消のターゲットになる。現在、お弁当などは多くの場合、スーパーやコンビニ、弁当屋のチェーン店などに地域のニーズが奪われているのが現状ではないでしょうか。
もし、地域の個人が作ったちょっとしたお弁当を販売するスマート自販機の仕組みがあれば、それによって地域にちょっとした商いが復活することになります。そして地域におけるお母さんの味を提供するインフラともなる。
そんなシステムが、役所や公民館だけでなく、地域に根ざしたあらゆる場所に設置されている近未来。ちょっと考えるだけで、ワクワクしてきますね。