モノづくりはインターネットの世界観に近づきます。
Shaping the Future of How We Buy: Introducing Beta & First to Try Products
米国3Dプリンタ造形会社大手Shapewaysが新たな一手です。売り手が、製品のβ盤を販売をすることが可能になりました。製品を作って販売する際、自分で何度も試作をしながら、完成品に近づけていくわけですが、そこに顧客意見も取り入れられるようにします。
顧客、つまり買い手のメリットとしては、割引価格がそれを手に入れられること、またその製品の開発の一部に協力する”参加感”です。結果、その製品を中心にしたコミュニティ形成にも役立つとのこと。
β版投入のステップは、売り手にとって重要なオプションとなりそうです。
モノをβ版投入するというカルチャー
PHOTO: Abstract style from Shutterstock
β版投入と言えば、それはいつもインターネットの世界の話でした。スピーディーに市場に投入し、顧客の声を聞きながら、サービスをブラッシュアップしていく方法は、ネットの世界では基本中の基本。
また、もっと言えばインターネット系サービスは常にβ版です。なぜなら、いつもアップロードがかかり、完成!という瞬間はないからです。
デジタルファブリケーションが一般普及の道のりを進んでいく中で、このカルチャーは、モノづくりにおいても最適化され、導入されていきます。今回のShapewaysの一手は、3Dプリント製品の販売プラットフォームにおいて、スタンダードとなることでしょう。
また、現在は、3Dプリントされた製品の普及において重要な時期。造形会社で買った製品の品質が良くないという印象を与えていては、その広がりの足かせとなってしまいます。β盤の製品という明確な位置づけが、顧客とのトラブルを減少させてくれるでしょう。
デジタルファブリケーション時代の新たなカルチャーが、じわじわと誕生していきます。