遺伝子検査はまだまだ価格が高い。もっと格安かつ詳細に、自分たちで気軽にできる日がきたら…。そんな理想が叶う日は、遠い未来ではないかもしれない。
「miniPCR」は、ポータブルなDNA検査・分析デバイス。現在、Kickstarterで資金調達中だ。
家族のDNA鑑定や食べ物のDNA検査などが、研究室はもちろん、学校の授業や家でも気軽に行うことができる。またアプリと連携させ、そのデータを、タブレットやスマホで確認することも可能だ。
このminiPCRは、現在399ドル(約4万円)から購入できる。遺伝子検査の民主化によって、DNAは特別な医療機関や企業のブラックボックスではなくなり、パーソナライズされた商品、サービスが社会に溢れる日は遠くない。
【参考】
・遺伝子検査でパーソナライズされた化粧品を提供する「Geneu」
遺伝子検査が個を浮き彫りにする
PHOTO: Leonardo da vinci, Milan from Shutterstock
16世紀、西洋では、”個の確立”とともに、セルフポートレート、自画像の芸術が生まれた。その最初は、あの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの自画から始まったとも言われる。
民主主義が生まれ、選挙権を持つことが個を浮き彫りした時代もあった。アメリカでは19世紀から普通選挙が始まり、日本においては、20世紀、ついこの間のことである。
21世紀に入り、情報技術は、”個”を浮き彫りにし、その象徴とも言えるものが、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアである。この革命は、取引における信用のあり方までも変革し、新しい経済社会の土壌を耕している。そのような意味において、SNSはサービスイノベーションではなく、ソーシャルイノベーションの類いと言える。
また、遺伝子検査の民主化によって、”個”が違った側面から浮き彫りになっていく。この革命も単なるサービス革命ではなく、ソーシャルイノベーションにつながる光明であり、今、”個”を明瞭に照らし始めている。