エボラ出血熱の悲惨な現状は、今世界を一つにしているが、科学分野における協力や共有に目覚める時は「今」である。
「Science Exchange」は科学者が世界中の研究室から、様々な実験とその部品を注文することができる、コラボレーションプラットフォームだ。研究、実験のために利用する機器は驚くほど高価である。
一方で、その機器の利用時間は、多くの場合驚くほど短い。遊休設備として置かれている実験器具の”その時間”に目を向けることは、研究者にとって悪であった。
しかし、これからは変わってくる。Science Exchangeには、900以上の研究室が登録されており、2,000を超える実験を検索、確認できる。
良さそうな実験室を見つけたら、そこに詳細を記述し、納品日希望などを入れて見積もりを依頼する。
Science Exchangeは、その金額から3%〜9%の手数料を取る。
解決するべき課題は、世界に山ほど積まれており、その解決のために果たす科学の役割は、益々大きくなる。研究者が有機的に、より手軽にコラボレーションできる時代が、いよいよ現実的に到来する。
民主化されるゆく科学と希望
PHOTO: Test tubes closeup from Shutterstock
各国別に行う宇宙開発1つとっても、本当は、世界が協力して進めた方がいいものはたくさんある。誰もが当たり前のように思うことさえ、巨大な組織同士のパラダイムの中では、実現が困難なことは多い。
しかし、これまで国家的なプロジェクトであったようなものが、小さな組織、またその連携とネットワークの中に降りてくる。そして、それらは、思いもよらなかったような偶有性のきらめきを放ち、セレンディピティの宝庫となるのである。
「全ては人類の共有資産」という理念は、21世紀の最大級の概念的発明として、世界の底流に静かに流れていく。
その潮流の中で、これまで簡単に解きほぐすことのできなかった難問、潜在的な課題にメスが入れらようとしている。