先日紹介した農家から再生可能エネルギーを購入することのできるP to Pのプラットフォーム「Vandebron」は、大きな話題を集めたが、今後電力の共有プラットフォームは、世界的な大トレンドとなりそうだ。
【参考】
・共有経済の電力プラットフォーム!エネルギー業界のAirbnb「Vandebron」
リリース間近の「Gridmates」は、余った電力を、電力不足で困っている人に寄付する電力共有サービスだ。
米国には、電力に不足を感じている人が4,000万人も存在する。そのような人に、個人が太陽光や風力などで発電した電力の余りをシェアしていく。
使い方はシンプルで、サイトにサインアップし、電力に困っている人を見つける。そして、オンラインから余った電力をキロワットアワー(キロワット時)の単位で寄付をするという流れとなっている。
12月にリリース予定であり、その後は各地の非営利団体などとも連携を取りながら、世界の電力不足をこのプラットフォームで解消するという理念を掲げて突き進む。P to Pの電力ネットワークの可能性は、巨大である。
思いもよらなかったものが価値となる
PHOTO: Image of female hands giving Christmas from Shutterstock
私たちは、物質とエネルギーの中で生活している。そして、私たちは、生活の中で無意識にエネルギーを生み出し続けている。
例えば、先日、振動で充電できるウェアラブルバッテリーを紹介したが、私たちの何気ない行動は、エネルギーへと転化することが可能だ。
【参考】
・振動で充電できるウェアラブルバッテリー「AMPY」に注目したいワケ
例えば、Facebookのいいね!は、私たちの何気ない仕草、エネルギーを「いいね!」という”関係性のための価値”へと転化することに成功した。
また、gooddoのような非営利団体を支援する仕組みは、ワンクリックを”寄付の価値”へと転化している。これらは、私たちのスキマに存在するエネルギーを価値へと昇華する取り組みである。
今後、このような文脈の中で、思いもよらなかったものが価値となる。その転換効率は、現時点では取るに足らないような小さなものかもしれないが、太陽光発電の発電効率が年々高まっていくように、その価値転換効率は年を追うごとに高まっていく。
このトレンドは、木の成長のように静かであるが、私たちの生きる世界を根底から変革するトレンドとなるのである。