バスよりも2倍速く、UberやLyftよりも5倍安い。バン×アプリで通勤の世界観を変えようとするサービスの登場だ。
「Chariot」は、通勤者のために15人乗りのバンを走らせるサービス。ルートに柔軟なバンが、通勤ラッシュの時間帯8〜10分ごとに指定の場所に到着をしていく。
ルートは現在サンフランシスコに2つしかないが、人が集まれば、ルートを増やすというクラウドファンディングスタイルで、運営されており、バスのように、人がいないのにルートを走らせるいう無駄なコストは生じない。
バンを共有する通勤サービスというコンセプトだが、ライドシェアサービスの筆頭であるUberやLyftを利用するよりもコストが、はるかに安いというところが大きな売りだ。
バスとクルマのライドシェアの間を取ったサービス、この辺りの事業を考えようと思えば、誰もが思いつくかものかもしれないが、スマホというインフラが整っ て始めて現実的なものとして運用される可能性がある。”通勤イノベーション”の鼓動は、世界的に益々大きく響いていく。
コストをかけなくても自由の範囲は拡大する
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21世紀、”自由のためのコスト”は20世紀よりもはるかに下がっていく。これまで自由を求めようと思えば、そこには常にお金が必要だった。通勤を快適に、自由にしたいと思えば、地方においては特にだが、自家用車の存在が不可欠だった。
しかし、望んだものが共有の文脈の中で、最適化されるならば、自由のコストは大幅に削減される。
先日紹介した通勤のための相乗りサービス「Hovee」もそうだが、21世紀を生きる人達の自由と柔軟さを求める声なき声を感じる。更に、今社会に出ていない人の未来の声も、少なくとも私には響いており、そういった意味では、1つのサービスという領域を超え、これからのインフラとしての力を備えてくる可能性は高い。
“自由が義務である”と語ったのは、かのP.F・ドラッカーであるが、同時に”自由は、責任を伴う”。新しい時代の自由は、また新しい時代の責任が問われ、規制の問題や、トラブルの可能性を含めた真摯なシステムの成熟に務めていく必要がある。
とは言え、コストをかけない自由の拡大は、人類が無意識レベルで求める義務であり、夢であるが故に、そこに退歩や妥協が生まれることはない。
【参考】
・地方居住者がクルマを所有しなくてもいい未来へ。通勤のための自動車相乗りサービス「Hovee」