電力網の再構築を「圧縮空気技術」を使って行おうと試みる女性科学者・
ダニエル・フォン氏が世界中から注目を集めています。
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エネルギーを圧縮空気に変えてタンクに保存する──
このアイデア自体はシンプルなもの。電力源があればこのタンクにはどんな
エネルギーでも保存できる──ガスや石炭を燃やしてつくった電気であろうと、
あるいは風力発電などでできた電気であろうと関係ない。
その仕組みはこんな感じだ──高校の物理の授業で習ったように、空気を圧縮
すると温度が上昇する(自転車のタイヤに空気を入れる時のことを思い出しても
いいが)。
そして、保存した熱は、あとでエネルギーが必要になったときに電力に戻す
ことができる。これはバネを縮めたり、逆に緩めたりする感覚にも少し似ている。
カリフォルニア州バークレイにあるこの小さなヴェンチャー企業・ライトセイル
・エナジーは、ダニエルの教育にも劣らないほど型破りなアイデアを実現する
ために立ち上げられた。そのアイデアとは、世界中の余剰エネルギーを圧縮
空気にして巨大なタンクに保存する、というもの。
この蓄電用タンクを風力発電や太陽光発電装置に接続し、生み出されたエネ
ルギーを電力がもっとも必要とされる時に備え、蓄えておけるようにする──
ライトセイルではそんな雨水の貯水タンクにも似た蓄電装置の開発と普及を
目指している。
ダニエルの考えでは、圧縮空気タンクの潜在的市場規模は今後20年間で1兆
ドルを超える可能性があるという。
引用元: 「電力網の再発明」を狙う、少壮の天才女性科学者:ダニエル・フォン « WIRED.jp.
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要は、再生可能エネルギーを含め、エネルギーを限りなくロスを少なくし
蓄電するシステムということになります。
圧縮空気技術が世界を救うか?
10年以上前から、この圧縮した空気をエネルギーにする「自動車」がありました。
この圧縮空気自動車は、環境に全く付加をかけず、劇的な燃費を持つ車です。
開発したのはMDIというフランスの企業で、私もとても興味深く思っていた
のですが、当時はまだまだ「環境」という意識も低く、大手も自社の「ガソ
リンエンジン」技術に固執し、全くもって、取り合おうとはしませんでした。
しかし、その間も「圧縮空気」という技術は、様々な分野に派生しながら進化を
続け、いよいよ日の目をみるタイミングが近づいているのではないか?と思います。
世界が、エネルギー分野での劇的な革新を求め始めているからです。
圧縮空気技術を使ったライトセイル・エナジーのような会社が、世界中から
注目を浴びるようになってきているのも朗報です。
日本でも最後の砦とされていた、家庭向け電力の自由化は、決定し、早ければ
2015年前後に実現する予定です。
日本を含め、世界中でエネルギー・デモクラシーは目前に迫ってきています。