国税庁から2011年分の民間給与実態統計調査が発表されました。
給与平均の高い業種はこちら。
1位:「電気・ガス・熱供給・水道業」(713万円)
2位:「金融業、保険業」(577万円)
3位:「情報通信業」(570万円)
また、一方ワースト(安い給与)の順番はこちら
1位:「宿泊業、飲食サービス業」(230万円)
2位:「農林水産・鉱業」(284万円)
3位:サービス業(322万円)となる。
また、上昇率トップ3についてはこちら。
1位:複合サービス事業 4.9% (郵便局、協同組合)
2位:電気・ガス・熱供給・水道業 2.4%
3位:運輸業・郵便業 1.9%
これらをみても思いますが、参入障壁の高いインフラ系事業、またビジネスモデルとしましては、継続課金型が高い給料だと分かります。ただ、電力・ガスをはじめ国家の「規制」によって参入障壁が高い業種の給料が高いという現状は、より多くの国民が知るべきことで、規制緩和の声を上げていくべきでしょう。
気になるところの飲食業の低年収。飲食系事業は競合が「家の食事」です。「自分で作る格安の家の食事か or それとも外食か?」という選択肢となっていますので、顧客の獲得コストも高く、事業としては簡単ではないわけですね。
一方、給料が安いことも影響しており、常に人手不足であるというのも「飲食事業」の特徴です。その理由は、先ほどお伝えした飲食ビジネスの根本背景にあります。更に言えば、アルバイト中心で運営でき、正社員の労働時間が長時間となっていく等、労働環境の悪化が大きな原因となっているのでしょう。こういったところは、監視状態を強化し、労働基準法を遵守させることが大切ですね。
人材が政治家となる時代。そして中心省庁は、財務省から厚生労働省へ。
ちなみに1995年から見るサラリーマンの平均年収推移はこちらです。見事に右肩下がりですね。
しかし、これからもこの傾向はまだまだ続くでしょう。それはグローバル化によって世界中の人々の年収は加速的に平均化していきます。またコンピューターやロボットによるオートメーション化の波により、人間がやる仕事が一時的にどんどん減っていくからです。
しかし、以前からお伝えしているように、グローバル化により貧困から脱する人が多数存在してきますし、オートメーション化によって、人類の労働価値は上がります。人類の労働価値があがるということは、ものの値段は下がります。良いものの値段が下がり続けてきたからこそ、私たちは、現在、平安貴族よりも便利で快適な生活が送れるようになったわけです。
よって、志ある人はどんどんこのグローバル化とオートメーション化を進めていって欲しいと思います。
一方、考えていかなければならないことは、あまりにスピーディーに雇用が激減する、つまり社会がハードランディングしないように、政治的・行政的なサポートも必要です。
よって、「起業」や「大企業での活躍」を目標としていた若き世代が「政治家」という選択肢を持つようになっているのも、それを若者が直感的に感じているからです。
そして、社会を混沌とさせないため、中心省庁は財務省や経済産業省ではなく、厚生労働省へと変わる。そんなことも多くの人は直感的に感じています。
社会起業家やソーシャル・ビジネスの潮流もまさに、この「社会のハードランディング阻止」の流れの中にあります。
では、その先の社会には一体何があるのか?きっと「労働」の概念が「お金を稼ぐため」「生活するため」というものから「人に貢献するため」というものへと変わり、価値の中心軸は「利害・損得」から「美醜・善悪」へと変わる。そして20世紀には考えられない、新たな社会が誕生していることでしょう。
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