CADエンジニアが集まるGrabCADがすごい!登録すれば誰でも無料でCADモデルデータをダウンロード及びシェアする事ができます。
2012年11月8日現在、登録している CADエンジニアは314,109人、ダウンロードできるデータは60,300種類、今までのダウンロード数は575,2617にものぼります
例えば、おもちゃの木製列車のようなものから…
かっこいいダイニングチェアー。
そしてフェラーリまで!フェラーリ、かなりダウンロードされています。
GrabCAD内で「car」と検索すると、タイヤからシート、シャーシまで車の部品関係のデータがこんな風にたくさんダウンロードできます!
GrabCADの発表では、世界のCAD設計者の10%以上が、GrabCADの参加者だと言います。また、先月の2012年10月には8.15ミリオンドル(日本円で約6億4千万円)調達を発表しました。現在までトータルで14ミリオンドル(日本円で約11億円)を調達しているとのこと。
これはすごい!GrabCADでダウンロードしたものを、自分なりにアレンジ、カスタマイズして、3Dプリンターで印刷、なんてことが普通になるでしょうね。産業にも文化にも大きな影響を与えることでしょう。
ものづくりにも「贈与経済」が復活する
photo credit: Sarah Parrott via photopin cc
ここ数十年、人類は「市場における交換」という概念によって、「素晴らしい社会」「素晴らしい文明」が作れると信じてきた感があります。確かにそれによって、経済の発展は加速しましたし、多くの恩恵を受けたことも確かです。
しかし、今私たちは明らかに気付きました。「市場経済での対価交換」という概念は、経済効率性の分野に強く働くけど、「幸せな生活」「文化の発展」とはちょっと違うところにあるような気がする…と。
この市場経済とは違う位置にある「贈与経済」は、私の福島の田舎に今も残っています。「ナスがたくさん取れたから、お隣にあげる」「足の悪いおばあちゃんのために、お隣の人が新聞をわざわざ家の中にまで届けてくれる」ということが普通に行われています。
もちろん「礼儀」という範疇はありますが、「何かをあげたのだから、もらうのが当然」「何かをもらったのだから、それと同じ対価のこれをあげるのが当然」という市場経済的な考えで、皆が動いているわけではありません。
この贈与経済は、インターネットの普及により、2000年代から「情報」の分野で高度に復活してきました。その一つがオープンソースという、ソースコードをインターネットなどを通じて無償で公開する概念です。このSocial Design NewsもオープンソースのWordPressで作っているわけですが、まさにネット上の贈与経済の恩恵を受けて運営していることになります。
ものづくりがデータと直結し、3Dプリンターの普及によって起こってくるデジタルファブリケーションの時代。いよいよこの贈与経済が「ものづくり」の分野で高度に復活してきます。それを支えるのが、このGrabCADのような3Dデータを無料でダウンロードできる、デジタルファブリケーションのインフラだと言えますね。
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