ファッションデザインを投稿し、多くの投票を集めたものは実際に製作され、購入できるサービスStylyt。
大手ファッションブランドがベースデザインを投稿しており、それをWEB上でドラッグ&ドロップしながらカスタマイズデザインすることができます。
それがこのようにWEB上に表示され、良いと思うものには投票をします。投票が多いものは、実際にブランドによって製品化されるという流れです。
既製ブランドの安定感とクリエイティビティー、オリジナリティーを両方手に入れられるというのは面白いですね。
また、こちらはファッションデザインの評価収集、需要予測をするプラットフォームにもなります。今後、Stylytはこれらのデータを元に、大手アパレルメーカーと更なるコラボレーションをしていくようです。
これは素晴らしい〜。お分かりのように、この事業モデルはファッションに限ったものではありません。以前からお伝えしているように、これから熱い分野は「消費支援型」のサービスではなく、「コラボレーション生産支援型」のサービスです。
新たな金融システムの再考が必要となる
photo credit: Zach Dischner via photopin cc
今回ご紹介したStylytや以前ご紹介したSneakerlyの構造を見ていただいても分かりますが、事業を始めるのに、更に「お金」がかからなくなっているのが分かります。ものづくりまでもがデジタル化し、「大型の設備投資」や「大量在庫」という概念が陳腐化していくからです。
ものづくりのデジタル化。これはアルビン・トフラー氏の言う「引きかえせない楔」であり、どんどん進んで行きます。
顧客を巻き込みながら、欲しい物をデジタル上でデザインしていく。このリスクの少ない「リーンスタートアップモデル」が、ものづくりにも幅広く浸透していくのです。
現代社会の金融の流れを考えると、中央銀行がお金を刷って、市中銀行にまわす。そのお金を企業が借りて、設備投資をし、人を雇い、経済が活性化されていくという流れです。
しかし、設備投資費用が小さくなり、人も少なくてもすむ事業モデルでスタートするところが多くなれば、今の金融システムに基づいた景気刺激策だけでは足りないのは必然です。
インターネット関連事業の5倍の市場規模が「ものづくり」にはあります。本格的に、今の金融システムを再考しなければならないところに来ています。国家の財政運営モデルだけでなく、事業モデルにおける金融の役割、意味が今再び変わろうとしているのです。
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