昨日の2012年12月24日の日経新聞に、糸井重里事務所が運営する「ほぼ日」がメイカーズ的だと紹介されていました。
なぜメイカーズ的かと言うかというと、「あったらいいな」を「モノ」として販売する事業を展開している意味からです。
今年2012年、糸井重里事務所はポーター賞を受賞しているのですね。味の素ファインテクノ株式会社や、じゃらんnetを運営する株式会社リクルートライフスタイルなど名だたる大企業と並んでの受賞です。
ちなみに、ほぼ日の月訪問者数は111万人。PVで言うと1日140万PVを超えるようです…。圧巻ですね…。
そして社員数50人で年商28億円。手帳や土鍋を販売しているイメージはありましたが、ここまでとは…。
ほぼ日ストアを見ても、服からバッグ、そして日本茶まで。なんかいろいろ売っているんですね〜。
コンテンツの幅も非常に広いです。細かく見ていくとビックリ。
「まあ、糸井さんがやっていることだから…。」とあきらめてスルーしてしまうにはもったいない事業モデルです。
21世紀のメディアのマネタイズ方法は、メイカー的発想が不可欠
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今、メディアは視聴率やPV至上主義による「広告費」での運営か、そのコンテンツの「(分割)販売」、またはそのコンテンツを切り口にした「セミナーや講演」事業がマネタイズの柱になっています。多くのメディアはなんとか行き詰まりを打破しようと、これらの方法をひたすらに試行錯誤しているのが現状です。
しかし、21世紀のメディアのマネタイズの大きな柱の1つは「ものづくり」だと思っています。
例えば、メディアが3Dプリンタなどデジタルファブリケーションの仕組みを取り入れ、取材した東北の被災地の企業と共同で「製品」を作ること。ドキュメンタリーを撮影した人と共同で、新たなブランドを立ち上げるということもできるでしょう。これを最小限のリスクで行うことができる、というところがポイントです。
また、小さくネットメディアを運営する人からすると、「ほぼ日の事例は、糸井重里さんのブランドと、それからもたらされるアクセスがあるからできることじゃないの?」と思われるかもしれません。はい、その通りです。(笑)
しかし、このハードルはメイカーズムーブメントの中でどんどん下がっていきます。それを伝えたくSocial Design Newsでも取り上げさせていただきました。
先日、私はSocial DesignのiPhoneケースを3Dプリンタで作ってみて思いました。「商品は簡単に作れるな…。後はそれが社会に必要か、また欲しがられるかどうかだな…」と。これからは、iPhoneケースどころではなく、もっといろいろなモノが作れるようになります。
ちなみにですが、このSocial Design Newsは、私のコンサルティングフィーや講演や勉強会、また一部のメディア出演で運営されています。
Social Design Newsのコンセプトは、「社会を良くする近未来インスピレーション情報」です。お読みいただいた方が、近未来の社会のあり方、近未来の事業モデル、近未来の働き方などに良いインスピレーションを与えられるかが、勝負であり、この情報の質をひたすらに高めていくことが最重要課題です。
それが評価経済社会における前提としてある中で、今後の貨幣経済におけるマネタイズの柱の1つは「読者の皆様が、こんなのがこの価格であったら、絶対欲しい!というものを作り、販売するというのが一番良いカタなのかもしれない」と思い始めています。
つまり、ものづくりにおけるリーンスタートアップを、人を集めることのできるメディアが行うということです。
そして、このモデルは人を集めることのできるソーシャル・ビジネス、NPOも大いに活用できます。小さなメディアを立ち上げ、全ての行動、または関連情報を「読者の方が読みたいコンテンツ」としてまとめ発信する。
それにより、コミュニティーを拡大していき、その人達とともに「あったらいいな、と思うモノ」を作り、提供していく。インフラが整ってきているので、その商品はグローバルにも展開していける可能性も出てきます。
これは、3Dプリンタが普及した3年後でいいかな?ではなく、もう今から試行錯誤を始める必要があると思っています。この辺りの情報も逐次発信していきます。