自然エネルギーのソーシャル•プロジェクトを進め、社会起業家の
サポートをする中で常日頃感じること。
それは物事を推進する力はただただ「人間力」だということです。
もっと言うと、今までどれだけ苦労し、どれだけの失望、困難を
乗り越えてきたというところが問われてくるということです。
現代、私たちが直面している課題は、大きく分けて2つです。
「人間とは?」「幸せとは?」「心とは?」といった哲学的課題
と、「人間を幸せにする社会システムとはいったい何か?」といった
社会構造における課題です。
つまり人間の再定義と、そこから広がる新たな社会体制、
経済体制の再構築が急務になっているということです。
これは、江戸という封建社会から、近代国家へと移っていった時代
(明治維新)また戦後、灰の中から、科学国家日本、経済国家日本を
立ち上げていった時代(戦後復興)のプロセスと同じような経路を
たどります。
先日ある素晴らしい先生がパワハラで生徒から訴えられたとの
ことを聞きました。そして、またまた私の友人がうつ病で会社
を辞めました。
若き世代が本当に混乱している。
これは、その歴史の最終サイクル、つまり、新たな社会への
転換点では必ず起こってくるプロセスです。
では、こういった時に必要なことは何か?それは、人間力です。
もっと言えば、苦労に敢えて挑戦し、それをを乗り越えていくこと
です。そこから得られる「共感・共鳴する力」「細やかで繊細な視点」
未来という時間軸において「社会、人類、子孫を心から心配できる力」
を育んでいくことです。
言葉で世のため人のため、という言葉は言えます。しかし、その
人の振る舞いを半年も見れば、それを本当に思っているのか、
ただのボーズなのかは誰でも察してしまうものです。
お金によって人を買う通常の企業モデルでなく、大きく社会を
動かし、社会を再構築していくプロジェクトにおいては、どこまで
その人が理想に燃えているか?そしてどれだけ多くの人の視点で
物事を繊細に見ることができるかが問われます。
つまりどれだけ自分が失望、絶望の経験を持ち、
それを乗り越えて来たかが、その人の人間力に直結し、その
プロジェクトが大きくなるか、小さく一つのコミュニティー
単位で終わってしまうかが決まるのです。
つまり、苦労の壁にはどんどん挑戦し、人間力を高めていく
ことが何よりも重要です。
「テクニックは?」と言われますが、それももちろん重要です。
しかし、そのテクニックも誰がやるのか?もっといえば、
どれくらいの人間力を持った人がやるかで全くその結果は
変わってしまいます。
誰よりも苦労し、いろいろな人の気持ちが分かるようになり、いろいろ
な人の視点を持てるようになる。そして長い時間軸で物事を考えられる
ようになり、未来の人類を本気で心配できる人間力。
これこそ今重要になっているものだと言えます。