私の家の近くにあるのカフェが、定年退職された方の憩いの場となっています。全国的にこのような傾向があるようですね。
昔ながらのフルサービスの喫茶店が復権しつつある。
約30年前をピークに「スターバックスコーヒー」をはじめセルフ式カフェに押されるなどして衰退をたどっていたが、シニアが時間を過ごし交流を深める場として見直されている。需要を取り込もうという大手チェーンの動きも活発だ。
「地域コミュニティーの場として『喫茶店』が活躍できればと思い、この店を作った」。2012年12月20日、埼玉県朝霞市の生活道路沿いに開いた「ミヤマ珈琲」の1号店。銀座ルノアールの小宮山文男社長は、あいさつに力を込めた。首都圏の駅前立地にこだわってきた同社が喫茶店で全国を目指すという「宣言」だった。
(中略)
ドトール・日レスホールディングスが11年3月から出店する「星乃珈琲店」も好調だ。店内はアンティーク調のソファや照明などで落ち着いた雰囲気。自家焙煎(ばいせん)のコーヒーが味わえる。店舗数は約40店と4カ月で倍増。来年中の100店も見えてきた。
ドトール・日レスHDの「星乃珈琲店」では、ハンドドリップでコーヒーをいれる(埼玉県鶴ケ島市)
鶴ケ島店(埼玉県鶴ケ島市)を娘、孫2人と訪れていた60代女性は「気兼ねなくゆっくりでき、値段も高くない」とくつろいでいた。店内の新聞・雑誌をのんびり読む1人客や、雑談に花を咲かせる女性のグループ客など過ごし方は様々だ。
1972年誕生の喫茶店チェーン最古参「カフェ コロラド」にも変化が出ている。約250あった店舗は約80まで減ったが、かつて通った団塊世代が集うようになり、「2年ほど前から売上高が落ちない」。
都心で50~60代をつかむのが東和フードサービスの「椿屋珈琲店」だ。サイホンで入れるコーヒーは930円するが、「滞在時間で割れば高くない。街中で安心できる場所として選んでもらっている」(同社)。同部門の2012年5~11月の既存店売上高は前年同期比2.5%増。13年4月期まで4期続け増収を見込む。
う〜ん、素晴らしいですね。最近では、家庭用3Dプリンタを購入し、実験を始めるシニアが日本に登場し始めているようです。
これらを総合的にを考えても、3Dプリンタやレーザーカッターを使って、デジタルファブリケーションを実践できるカフェFabCafe的なものが全国的に生まれる土壌ができているのだろうと思います。
グローバルと地域が「生産社会」という文脈で高度に融合
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「資本の論理だけで動く、哲学なき企業が、地域に入ってくると、地域の産業が壊滅的打撃を受け、文化すら大きく後退させる」
これは、昔から言われてきたことですが、結局、我々消費者は「便利さ・安さ」を、地域経済や文化よりも優先させる選択を続けてきました。それは、経済的成長が背景にある社会システムの中で、必要最低限の生活消費材を安く購入するという意味でも、どうしようもなかったのかもしれません。
しかし、今、それは加速の度を増し、グローバル経済競争時代となり、みな国外に出て、世界の需要を追い続けています。これはある意味で、軍国主義時代の構造によく似ています。「石油がなくなりそうだ!これでは、国はもたない!だから、東南アジアに打って出よう!」という発想です。今は、「国外の需要は頭打ちだ!これでは、企業、国はもたない!さぁ、東南アジアに打って出よう!」と叫ばれます。
私のある友人は、大企業に勤め、この戦いの最前線で走り回っています。月の3分の2以上、世界を周り続けており、常に時差ぼけ状態。数字を追われる厳しさは毎年増しているとのことです。まさに、青年が、戦争にかり出され、最前線で闘う姿に重なります。
このような、企業が地域の需要を食い尽くす「グローバル消費社会」の末期に、私たちは生きています。そのアンチテーゼのように、地域、またコミュニティーから始まる「生産社会」が登場してきているのです。
つまり、コミュニティーやその中の小さなチームから、何かを生み出す活動が、各地で始まっていきます。そしてそれは、いずれグローバルな活動へと進んでいくことでしょう。しかし、それは単純に「貨幣的な利益を追う」という目的だけでなく、より社会を良くするため、自己実現のために行われていきます。
自分たちの地域、コミュニティーが生産活動で活性化する。イキイキ、ワクワク生きる人が増える。その中で生み出された素敵な製品が、海外の人の目に止まり、売れていく。しかし、これは、ただひたすらに需要を奪い合うという消費経済社会の文脈ではありません。自己実現であり、関係性の復活であり、地域コミュニティーの発展であり、社会をより良くする延長から起こるのです。
このように、グローバルと地域というものが「生産社会」という文脈の中で、高度に融合し、あらたな時代が生まれます。
カフェもその「生産社会」の重要な役割を担っていくのでしょう。これからが楽しみですね。