Amazonが買収したKiva Systems社の倉庫内を自動で動き回るネットワークロボット「マジックシェルフ」がすごいです。上はイメージ動画。
このロボットを使用することで、作業効率は2~4倍となります。また、人間ではないのでライトや冷暖房は必要なくなり、結果、人間が働く倉庫と比べて50%もの経費削減が可能になるようです。
これを見ていて連想するのは、バクスター。
「ルンバ」を開発したロボット工学者、ロドニー・ブルックス氏が、リシンク・ロボティックス社から発売しました。低価格な産業用ロボットです。
これらのロボットが更に進化し、うまく相互連携を始めるようになったら?つまり、マジックシェルフが運び、バクスターが箱詰めを始めたら?倉庫や工場での、既存の人間の仕事は、大幅に減ることでしょう。
そして、「人間とは何か?」「働くとは何か?」という議論が更に深まっていき、「人間にしかできない仕事」「人間がやるべき仕事」に特化せざるおえなくなります。
資本主義の構造的転換点
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イギリスから始まった、現代の資本主義のシステムが成り立つ根本条件は何か?それは「投資したお金が増える」ことです。
資本主義の始まりであり、その最小単位である株式会社は、まず資本と経営を分離するところから始まります。
そして、資本家はなぜお金を会社に投資するのかというと、それが増えて戻ってくるという「リターン」を期待するからです。
そして、経済の成長とは何か?これは、人口が増え、需要が増加し続けることで起こります。いくらお腹が減っているからと言っても、1人に対して胃袋は1つ。いくらゲームが好きだと言っても、1人が持っている時間は24時間と決まっています。よって、当然、人口によって需要は増減します。
しかし、例えば日本は、2005年、2006年をピークに人口は急激に減少を始めています。その中で「経済成長を!」と考える場合、当然、国外の需要を獲得しようとする中でしか実現できません。しかし、どんどん力を増している海外との経済競争も楽ではありません。
結果、どうなるか?投資をしてくれる資本家にリターンを返すために、需要の増減とは関係ないところで利益を追求しようとします。
つまり、競争力アップという名のもとに、生産性、効率を追求することによって、利益を増やしていきます。それを実現するためには、人間よりも価格の安いロボットは最適です。文句も言わず、24時間、場合によっては、ほぼ電気代だけで働き続けてくれるのです。
このような流れからも分かりますが、既存の社会システムは、根本条件が、ぶれてしまっています。システムの賞味期限が切れてきています。
現代は、社会の根本構造の転換期なのです。