皆さんご存知の全自動掃除機「ルンバ」を開発したロボット工学者、ロドニー・ブルックスが新たな製品を開発。そして先日リシンク・ロボティックス社から発売をしました。その名も「バクスター」。一言で言えば、中小企業が格安で導入できる産業用ロボットです。
このように製造ラインから流れてくる製品を箱詰めしたり、
製造ラインへ適切に部品を流す作業などをこなします。
「感じる力」と「見る力」を持っているので、的確な理解が可能です。よって、仕事を教える時もこのように人間がバクスターの手を動かしながら教えます。難しいプログラミングを書き換える作業ないので、教える作業は非常に簡単です。
そして、下の画像のように感情を表現し、その感情によってうまく仕事がこなれされているかどうかをチェックできます。また、安全性にはかなりの気が配られており、防護策などは必要ありません。
今まで産業用ロボットというと1台1000万円以上することが当然でしたが、バクスターの価格は2万2000ドル(約177万円)。8時間の仕事を3年間続けれると、時給は約4ドル(約320円)の計算です。
バクスターを販売するリシンク・ロボティックス社のメインターゲットは、工員10人から500人程度の総計10万7000社の製造業企業及び、従業員10人足らずの16万社とのこと。
バクスターが行う仕事は、米国内で80万人の労働者が担っており、市場は約160億ドル(1兆2,800億円)にものぼると言います。
既存の仕事はどんどん減少していきます。
それでも社会はより良くなっている。
photo credit: rust.bucket via photopin cc
1811年から1817年頃、産業革命による機械の普及により失業の恐れを感じた手工業者・労働者が機械を破壊し始めた「ラッダイト運動」が有名です。
21世紀に再びラッダイト運動が起こるのでしょうか?そもそもこの機械化は、単純に人々の仕事を無くす悲しい潮流なのでしょうか?
しかし、そうではありません。このように仕事の効率化が進めば進むほど、ものの値段は極限的に下がっていきます。2020年初頭には、日本でも自動運転が開始されますが、それによって送料も劇的に下がるでしょう。
例えばタダヤサイ.comのようなサービスが多数現れ、送料が100円になったとすると、必要最低限の食費は今よりも更にググッと下がっていくことでしょう。そして、人間の必要最低限の生活は限りなく安くなり「やるべき仕事」「個人単位の人生のミッション」にフォーカスしやすくなります。
つまり、この効率化で今よりもより良い社会になっていく可能性が高いのです。
一方、新たな時代になるための狭間の時期が今です。よってみんな苦しい。例えば産業革命以降、新たな働き方を模索する「狭間の時期」を支えるため、ヨーロッパは世界初の社会保障整備を進めたのでした。今、再び政治が大事になってきている理由がここにもあります。
とにかく効率化は止められるものではなく、悪いことではない。そして、時代は一見悪くなっているように見えますが、確実に良い方向に脱皮しようとしている、というメッセージを発信し続けたいと思っています。
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