最近、世界最大の3Dプリンタ及び造形材料メーカーであるStratasysの方からご連絡をいただき、情報交換をさせていただいています。
こちらの会社は昨年、Stratasys Inc.とObjet Ltd.の合併により誕生した企業で、収益はなんと2億7千7百万ドル、NASDAQに上場もしています。上の動画は、Stratasysの最新プロモーション動画。実験レベルではなく、現在の3Dプリンタサービスが、実用的にどこまできているのかがよく分かる動画になっています。
途中38秒くらいから出てくるデュポン小児病院の“マジックアーム(Magic Arms)”は、生まれつき筋力や骨格に障がいがある子供たちのためのサポート器具。従来は据え置き型で、幼い子供が背負えるものではありませんでした。しかし、この3Dプリンタで作ったものは、プラスチック性で軽く、動き回る子供に装着させることが可能です。
こちらのマジックアーム、ロンドンのデザイン・ミュージアムが主催する、デザイン界のオスカー”デザイン・オブ・ザ・イヤー2013“にノミネートされています。 このアワードは過去一年間におけるもっとも革新的で創造的なデザインに贈られるものとのこと。こんなソーシャルグッドなものがノミネートされていくって素敵なことだなと思います。
また、Stratasysの強みと弱みを聞いたところ、強みは「精密で凸凹のないスムーズな表面の造形物、123種類の豊富な造形材料」とのこと。123種類というのはさすがですね。
そして弱みはというとやはり「価格」でした(笑)より手頃な価格で、この21世紀の産業革命を牽引していただきたいですね。
2030年、2050年…3Dプリンタの未来
上の動画はレノボ作成の動画。今後20年で、なんの変哲もない無難なマスプロダクトはなくなり、人々が日常思いつくクリエイティブな製品へと置き換わっていくと説明しています。
そして下の動画は、オランダの物流会社DHLの2050年の予測動画の一部。
均一な商品と大量生産品は姿を消し、はるかにカラフルで多様、そしてローカルな社会が誕生するとしています。あらゆるものがリサイクルされ、3Dプリンタが稼働し続ける未来です。
3Dプリンタの革新のスピードを見ていると、2030年、2050年と言わず、この10年でメイカーズ革命はかなり進んでいくと感じています。
ちなみに最近では、デザインツールPhotoshopのCS6のバージョンで2つのフリーソフト(curaとMeshLab)を使用すると、立体データが作成できるようです。
Photoshop tutorial: 3D printing from Photoshop
Photoshopユーザーが簡単に3Dデータを作成し始めると、また一気にメイカーズの波は大きくなることでしょう。楽しみな流れですね。