Amazonが注目すべき一手を発表しました。一言で言えば、amazonが”次世代のハリウッド”になろうとしています。
Amazonは、Amazon Studioという映像分野における才能を発掘するプロジェクトを続けてきました。具体的に言うと、企画のコンテストを定期開催し、そこで注目を集めたものについては、実際に映像化するという流れを作ってきました。
つまり、Amazonは既存コンテンツを流通させるだけでなく、オリジナルコンテンツの制作を着実に進めてきたのです。
そして、ついにこの流れを大きく広げようとしています。
今回発表された仕組みは、数分間の短編ムービーを視聴者に観てもらうことで、視聴情報及び意見をクラウドから集め、実際の映像化、シリーズ化を進めていくというもの。そしてその番組は、インターネットだけでなく、既存のTVネットワークへ、また映画として配給されていきます。
下の画像のようにAmazonのLOVEFiLM.comより視聴し、評価・意見を投稿できます。(残念ながら、日本からの視聴はできません)
ビデオの下には、視聴者の感想が掲載されていきます。
Amazonは、流通網を構築するだけでなく、Kindleをはじめとする自社商品の開発を進めています。そしてそれはモノとだけでなく、コンテンツにまで広く及んでいき、いよいよ既存メディア、既存のコンテンツ制作業界に大きく影響を与えようとしているのです。
クラウドソーシングは、業界のコア部分さえも代替していく
photo credit: Express Monorail via photopin cc
このように視聴者を参加させながら映像コンテンツを作っていくという手法は、今後各コンテンツ業界で取り入れられていくことでしょう。
特に、ドラマのようなシリーズものは「続けていかなければならない」という点において、非常に大きなリスクを伴います。映像のプロでも予測できない視聴率の上下はいまだによく見られます。
しかし、このように群集知、クラウドソーシングを利用していくことによって、「どのコンセプト、どの映像がどれくらい支持され、どれくらいの視聴者を獲得していけるのか?」という重要な参考情報を得ることができます。
また、現在Youtube動画を紹介するようなTV番組もありますが、今後マスメディアは、更に多くの市民を巻き込みながらコンテンツを制作していくという流れが加速していくでしょう。
ソーシャル・メディアを通した気軽な参加だけでなく、コアとなるコンテンツそのものの制作にクラウドソーシングが利用されていくのです。
クラウドソーシングは、ハリウッドや世界中のコンテンツ制作会社の最後の牙城と言われる部分までも、民主化していきそうです。