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ついにきましたね。レーザー焼結技術の特許切れ。3Dプリンタがいよいよ本格的に私たちの生活、仕事を大きく変えていきます。
Cheap Laser-Sintering Printers Are Coming Thanks To The Expiration Of A Key Patent
これまで普及してきたパーソナル3Dプリンタは、ソフトクリームを作るように積み上げながら造形をするFDM(熱溶解積層法)という技術です。これはプロトタイプ製作には良い方法なのですが、”最終製品を作る”という点においては、スマホケースやちょっとした生活雑貨、アクセサリーなどが限界でした。
一方SLS(粉末焼結積層造形)は、粉末素材にレーザーを当てて焼き固めていく方法で、より細かく耐久性のある最終製品にチャレンジできる技術です。
この方式の3Dプリンタが、10万円代、もしくはそれを切るような低価格で今年から来年にかけ発売されるようになれば、世界はまた大きく変わります。
先日、クレディ・スイスが2016年の3Dプリンタ市場を大幅修正しました。
CREDIT SUISSE: The 3-D Printing Market Is Going To Be 357% Bigger Than We Initially Thought
2016年の市場予測を、1,75億ドル(約175億円)から8億ドル(約800億円)で、約3,5倍もの大幅増加です。3Dプリンタまわりは今、ライトニングスピードで発展、進化しており、その勢いは予測をはるかに超えています。
ものづくりは情報創造産業になる
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ものづくりは、今後、情報創造産業になっていきます。
これまでの製造業は「何を作るか?」、そしてそれを「なぜ作るのか?」ということよりも「いかに作るか?」の方が大事でした。
つまり、「いかに作るのか?」という技術における優位性こそが、製造業の存在意義であり、誇りでした。
しかし、今後はこの「いかに作るか?」というところにおいての答えは、ほとんどの場合瞬時にオンライン上で出てしまい、それができる会社はたいていの場合たくさんある、という世界へと突入します。
そうなると、結果製造業は、「何を作るか?」、そしてそれを「なぜ作るのか?」というところに力を注がなければならなくなるということです。つまり、そのアイデアであったり、コンセプト、そして意味の生成が重要な仕事となるわけです。
では今、最も情報が生成されている場所は、どこでしょうか?それは、きっとソーシャルメディアなのでしょう。つまり、FacebookやTwitter、LINEなどのソーシャルメディアのエコシステムです。
これは面白い!というアイデア看板を写真で撮ってFacebookでアップする。それに対して友人が気の利いたコメントを書くことで、ちょっとしたアイデアが生まれる。そんな小さなアイデアのカケラは、どんどん生成され続けています。
当然、ソーシャルメディアは拡散型のメディアですので、それをどのように収縮しパッケージ化するのか?(製品化するのか?)ということころにおいて、一ひねりなければならないでしょうが、「情報創造エンジンこそが未来の事業の核になる」ことを考えると、ソーシャルメディアは次世代のものづくり社会において現時点で優位な立場にあると言えるでしょう。
つまり今後、あらゆるプラットフォームは、情報生成&コラボレーションプラットフォームとなり、デジタルファブリケーションと連携をしていきます。
「ソーシャルメディアで生まれたアイデアをすぐに形にする、製品にする」そんなことは遠い将来ではなく、ほんの目の前まで迫っています。