これからこういう場所は、日本にも絶対になければなりません。
年会費50ドル(約5,000円)で3Dプリンタやレーザーカッター、スクリュードライバーとドリル、のこぎりなど2,000ものツールにアクセスすることができるトロントツールライブラリー。クラウドファンディングで目標金額1万6,000ドルを達成し立ち上げられました。
道具の使い方、ものづくりの方法などのワークショップを行ったり、毎週水曜日にはオープンコミュニティナイトという出会いの場も設けています。会員制ものづくりスペース大手テックショップは年会費12万円ほどかかるので、そこからすると20分の1という格安で利用できます。
今後は、この更なる拡大を考えており、工具のような道具だけでなく日常使うあらゆるものの共有スペースになっていきたいというビジョンも掲げています。自転車だろうと家電だろうと、アートだろうと全てです。
こういった場所は、今後民間と自治体などが連携をしあって作っていって欲しいところです。
Tool Library and Makerspace Crowdfunding Video from IRBE on Vimeo.
自治体がクラウドファンディング導入に動き出す
また佐賀県武雄市が動いていますね。単独でクラウドファンディングサイト機能を持たせた応援サイト「cheeers!」を立ち上げています。
第一弾は、クラウドファンディングプロジェクトはパクチーソース!…わお!
ちなみに、「資金で応援」するクラウドファンディング機能以外に、「買って応援」ということでショッピングサイトへのリンクも掲載されています。また今後は「仕事を頼む」機能もつけて地元の人達の中でうまく仕事をマッチングしていけるようなクラウドソーシング機能も追加していく模様。
武雄市は人口5万人ほどの市ですが、この人口ですとクラウドファンディングサイトを単体で立ち上げるというよりも、このようにあらゆる機能をくっつけた応援サイトにする方向になります。
クラウドファンディングサイト単体で展開するとするなら、できれば市町村というより都道府県が音頭をとっていくのがベストでしょう。今や地方を車で走っていればどこにでもある、休憩所と地域振興が目的とされた施設「道の駅」。この21世紀バージョンと言っていいものが、地域のクラウドファンディングサイトです。今後の各地の展開に注目です。
【参考】
・JustGivingがクラウドファンディングサイト「Yimby.com」をローンチ
・消費社会から生産社会へ。instructableレストランからメイカーズ時代の地域振興を考える
Author Profile
長沼 博之
一次世代事業モデル構築を得意とする経営コンサルタント。「Social Design News〜社会をより良くする近未来インスピレーション情報〜」を監修。メイカーズ革命やクラウドソーシング、ソーシャルデザイン、これからの働き方についてTVや雑誌から取材多数。著書に「ワーク・デザイン これからの〈働き方の設計図〉」がある。