デジタルクリエイティブの祭典SXSW2014で、IBMは「IBM Food Truck」という屋台を出店しました。
IBMが屋台?と疑問に思うかもしれませんが、もちろんただの屋台ではありません。なんと、人工知能ロボットワトソンが開発したレシピを振る舞う屋台です。
例えば、チョコレートブリトーからタイのフィッシュアンドチップス、アップルケバブからベーコンのプリンまで。なんともすごい組み合わせ…。でも一度食べてみたい。
こちらは「コグニティブ・クッキング(Cognitive Cooking)」という食品を組み合わせることで料理を開発するという方法ですが、IBMはニューヨーク料理教育研究所が持つ多数の食材の成分と味のデータベースを利用し、かつ分子レベルで人間の精神作用にどのような影響を与えるかまでが考慮されてレシピの提案がされています。
また、ワトソンが開発したこんなマスタードなんかも販売し始めている模様。
料理は、無限の組み合わせがあり、よく芸術と称される分野ではありますが、この領域にもロボットは進出してきます。10年後には、より人間に最適化されたボットレシピ、ボット料理が、当然のことのように私たちの生活の中に浸透しているかもしれません。
ボットソーシングの最適化導入
PHOTO: restaurant kitchen cooking from Shutterstock
まさにこれは、料理業界に広がるボットソーシング(ロボットソーシング)の潮流。
これまで料理系ロボットと言えば、外食産業に導入されているロボット、つまり、ご飯をよそったり、麺をゆでたりする単純作業を行うロボットでした。
しかし、これからのロボットはビッグデータや分子解析技術などを使って、味や人間の感性と言われるような複雑な領域においても仕事をするようになっていきます。そして当然のことながら、ここには3Dフードプリンタの流れも合流してくるでしょう。
一方で、今回のような例を見て「いや〜ロボットが作ったレシピを作る気わかないな〜…」と思うような人もいるかもしれません。が、そこにもし、人間の評価がついてきたらどうでしょうか。つまり、実際作ってみた人の評価やレビューが分かったら?
ここさえあれば、人間が作ったレシピもロボットが作ったレシピもほぼ変わらなくなっていくでしょう。
いずれにせよ、それぞれの業界に最適な形でボットソーシングは確実に進出していきます。