昨日の記事で、「Uberのようなプラットフォーム側が高額な手数料を要求するようになった時、ドライバーが、別のプラットフォームに動き始める、また自分たちで新しいネットワークを構築していくような動きさえ起こってくる可能性があります。」と書いたばかりですが、早速こんな動きが。
「Hitch」は、UberやLyftと同じライドシェアサービス。しかし、乗車価格がなんとUberやLyftの半額以下。車をバスのように使えるようになるとのこと。なんともすごいコンセプト。
一方で、ドライバーの時給は25ドル(約2,500円)〜45ドル(約4500円)が保障されるとのこと、ここもいい感じ。
Hitchは乗車客にも、ドライバーにも優しいプラットフォーム。そうなんです、共有経済圏のプラットフォームは自社利益に固執することはできません。
UI(ユーザーインターフェイス)もシンプルで、地図上にピンを乗車地点と降車地点にドロップするという方法。同じ方向に進んでいる相乗り可能な自動車とすぐさまマッチングされるという仕組み。
その後の流れは、基本的なライドシェアサービスと一緒で、ドライバーや相乗りする乗客を事前に確認することができ、かつ、降車後お互いを評価してレビューを書きます。
最初はサンフランシスコから始まり、早速話題となっているHitchですが、既に広く世界を見つめているようです。
共有経済圏の事業について
PHOTO: happy people concept from Shutterstock
Uber、Lyft、Hitchのようなサービスは、製品を生産しているわけではありません。また、車や人件費といった固定費もなく、研究開発費も必要ない。
つまり、1つの商品、サービスを提供する際の限界コストは限りなくゼロに近いわけです。
現代の利益最大化企業よりも成長スピードの速い共有経済圏の事業は、多くの場合限界コストはゼロとなり、結果、常にそのプラットフォームは競合との激しい競争にさらされます。
乗車客にも、ドライバーにも優しいプラットフォームとなるための激しい競争の中で恩恵を受けるのは、今回の事例でもよく分かるように”会社ではなく個人となる”。ここがポイントです。
現代の強固な企業文明はまだまだ続くと考えられていますが、本当にそうなのかどうか。今後の動きに益々注目すべきでしょう。