今、再び「労働者協同組合」に世界的な注目が集まっています。その背景には、資本の論理に動かされ、虐げられてきた労働者をエンパワーメントすることがあります。
労働者恊働組合とは、労働者自身が所有・管理する民主的な組合であり、ワーカーズ・コレクティブとも言います。より分かりやすく言えば、一部の経営者や役員、外部の投資家に経営を左右されることがない点が特徴です。
この度、ニューヨーク州のバッファローに労働者協同組合「BreadHive」が立ち上げられました。美味しそうなパンがたくさんありますが、店頭販売するわけでもなく、入り口でカフェを行うわけでもありません。
労働者のための経営を掲げ、実際に行っていることは、パンの研究開発と卸し販売です。フリーランスや地域のレストラン、小売店などがそのパンを卸し、顧客への販売を行います。
個人の力を最大に解放し、ソーシャルチェンジとパンの進化を目指す。スタートアップのムーブメントが華やかに注目を集める中、実はこのような動きが活発化しています。
こういった新たな協同組合は、ネットワークを拡大しながら、事業者に対してマーケティングや会計などビジネス的なサポーも行い、静かなるインキュベーターとして、じわじわと社会的影響力を拡大していくことでしょう。
オンライン上のコラボレーションは中小企業に広がる
オンラインコラボレーションと言えば、フリーランス、また大企業やスタートアップが個人とつながることが、これまでの基本事例でした。
しかし、これからは、中小企業同士、また個人事業主同士がオンライン上で巨大なネットワークを作り、大企業と勝負をするというトレンドが生まれます。
こちらは、クラウドファンディングサイト・ロケットハブで資金調達をしたプロジェクト。小さな金額ではありますが、見逃せません。
Assemble: Giving Small Businesses a Bigger Chance!
オンライン上の商工会議所といった意味合いの中小企業向けのネットワークを構築していこうという動き。
例えば、規模の経済による安い仕入れといった大企業特有のメリットがありますが、小さなところがオンライン上で巨大なネットワークを組みコラボレーションすることで、同じメリットを享受します。
新しい労働者共同組合が発展していくトレンドもそうですが、新しいオンライン上の商工会議所も、世界的な試行錯誤が行われながら、静かに着実に進行していくことでしょう。