21世紀、非営利団体を支えるITの追い風は、益々強い風となって世界を駆け巡る。
「Wedidit」は、非営利団体のためのPR活動及びマーケティング活動全体をトータルで管理するためのサービスだ。
例えば、クラウドファンディングを簡単に立ち上げることができ、WEBサイトにそれらを埋め込むことも可能。
また、モバイルでの寄付も促進することができる。モバイルを制したものが、寄付を制す。この領域も例外に漏れず同じような流れとなるだろう。
また、特徴的なことは、募金者のデータも管理することができること。ここでどのような人が応援してくれているのかが分かり、非営利団体側も、個人個人に対して適切なフォローを行うことができる。
更には、P to Pの募金プラットフォームサービスというのが興味深い。寄付者が自身のページを作ることができ、寄付キャンペーンを気軽に友人にシェアすることが可能になる。自身のプリンシプルや価値観を表現するためのツールともなりそうだ。
さて、このサービスを利用する費用は、集めた寄付金への手数料だけである。具体的にはWediditに2.5〜3.5%、クレジットカードの手数料が2.8%+30セントを払うだけのモデルである。
日本で言えば、クラウドファンディングサイトREADY FORあたりがこのような進化を遂げてくれると、多くの非営利団体から支持を集めそうだ。NPOの活動がよりスムーズに広く行われていくことを願うばかりである。
統合マネジメントプラットフォーム
PHOTO: Man with Note Pad and Charity Concepts from Shutterstock
Wediditのポイントの1つは、全てを統合したプラットフォームであるということ。これまでクラウドファンディング、クラウドソーシング、マーケティングなどを単体のサービスで利用していくしかなかったが、これらを統合的に利用できるインパクトは大きい。
そして、2つ目は、寄付に協力してくれる”個人”に目を向けながら、ファンという領域を超え、スタッフとしてネット上で活動してもらえる仕組みを作っていることだ。P to Pの募金プラットフォームというのがまさにそれである。
情報革命時代、20世紀型のマネジメント理論の賞味期限が叫ばれ幾星霜、今起こっている組織的、マーケティング的イノベーションが指し示す近未来をまさにこのプラットフォームから見て取ることができる。
システムにより、これらを全て統括的に管理していくマネジメントモデルの台頭は、非営利団体を超えビジネスの業界にも広く影響を及ぼすことになるだろう。