いよいよ日本でもAirbnb利用が、公に認められていきそうだ。
政府は28日、一般の家を宿泊施設として活用する「民泊」について、全国で初めて東京都大田区で実現させる方針を固めた。旅館業法は多くの人からお金をもらって繰り返し泊める場合、必要な設備を整えることを求めているが、大田区ではマンションなどの個人住宅で外国人を泊める事業が来年中に可能となる見通しだ。
さて、そんな状況を横目に、スワップコマースはじわじわと広がっていく。拙著「ビジネスモデル2025」でも記したが、スワップコマースとは、貨幣を通さず交換によって行われる取引のこと。例えば、今回ご紹介する「NightSwapping」は、Airbnbのシステムをスワップコマースで実現するサービスだ。
自身の部屋を利用者に無料で提供すると「Night」という仮想通貨を得ることができる。獲得した「Night」で、次は自分が部屋を無料で利用できるというものだ。
Airbnbには及ばないが160カ国地域、10万人以上の利用者が存在する。ちなみに、厳密に言うと宿泊者は、利用料として9,9ユーロをNightSwappingに支払う仕組みになっている。(ホスト側はいつでも無料)
ちなみに、こういった部屋交換プラットフォームは、Airbnbと競合するというよりは、民泊カルチャーを広げるために相互補完的な役割を果たすことになるだろう。なぜならAirbnbの利用は、合法化しつつも、細やかな規制も同時に入ってくることが予想されるからだ。
これを受けて、サンフランシスコ市、借り手団体、AirBnB、ホテル団体などが集まって「正しいAirBnBのあり方」を検討、幾つかの議案が上がった中で結局今年の2月新しい法律が施行された。内容は、AirBnBによる貸し出しを合法化しつつも規制をかけるもので、こんな感じ。
・貸し出していいのは自分の主たる住居のみ
・借りている物件を貸し出す時は大家の許可がいる
・自分がその場にいない状態で貸す場合は年間90日まで貸し出し可
・貸し出している時も自分がその物件にいる場合は年間265日まで。(ただし一軒家はこの上限なし)
自身の部屋をAirbnbにもNightSwappingにも登録しておく時代へ。貨幣経済と物々交換経済は、現代の文脈の中で高度に融合していく。