今、重大な問題になっている貧困女子の問題。
「いったい日本は、どうなってしまったのか???」
そんなふうなことを思うには、十分すぎる数字が掲載されている記事を紹介。
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今や単身女性の3分の1は手取り125万円以下という。家賃、食費を切り詰め、
「三食、菓子パン」「洋服は防寒具以外は買いません」と告白する女子たち
の実態に迫った!
(中略)
「築40年のオンボロアパートですが、背に腹は替えられません。先月の給料
は9万円だったし、1月は正月で出費が嵩んだのに、手取りは8万5000円。
食べていくだけで精一杯の状態です」
手取りから家賃を引けば、財布に残るのは毎月4万円弱。この中から光熱費
(約8000円)と携帯電話の通信費(約1万円)が飛び、残りのほとんどが食費に
消えていく。この6畳1間で彼氏と同棲中、交際2年目を迎えるというが、
彼女と同じ非正規雇用者の彼とは、将来のことは考えられない。
20~64歳の1人暮らしの女性の3人に1人が〝貧困状態〟にある—。
引用元: あなたの隣にもいる「貧困女子のビンボー生活」 | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社].
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この現状は日本だけではありません。
先日アメリカの非営利シンクタンク・The Center for Budgetand Policy Prioritiesは、
報告の中で、「政府機関での大規模な解雇や失業者手当ての大幅な削減により、
この1年間でアメリカの貧困層が150万人以上増加している」と発表しました。
まだまだ世界的にみて、貧困は拡大するばかりです。
このような情報を目にするたびに、これはもう社会構造の問題であり、もう一度
この新たな21世紀のグランドビジョンが皆力を合わせて生み出す必要があると
痛感します。
格差が広がり始めたのは15世紀くらいから
photo credit: contemplative imaging via photo pin cc
アジアをはじめ、地球全体として経済的には発展し続けているように見え
ますが、相対貧困率はあがり、経済格差は広がり続けています。
私は、格差を引き起こす原因と言われれてしまう「競争」には賛成です。
なぜなら、競争を否定した文明は停滞を余儀なくされ、行き詰まってしまう
ことを歴史が教えてくれているからです。人と人が切磋琢磨し、成長し合う
「競争」はむしろ、人間の本質であり、尊重されるべきだと思っています。
しかし、一方で大事なことは、それによって一時的に負けたように見える人
が基本的人権までもが奪われてしまう、また基本的人権をサポートできない
社会構造は見直さなければいけないと思います。 誰にとっても勝ち続ける
人生などありえません。勝ち負けは常にトレンドとして存在し続けるのです。
イギリスの著名な経済学者アンガス・マディソンは、紀元1年から2008年まで
の超長期的な経済・人口の推移を推計しました。それによると2000年における
各地域の「一人あたり実質GDP」を比較すると、1400年ごろまでは世界の
「地域格差」はほとんどなかったと分かります。
そして格差が生まれ始めたのが、15世紀ごろから。キリスト教社会から
科学が社会に認められるようになった近代国家が生まれ、一人あたりGDP
の差が開き始めます。
そして19世紀、ヨーロッパで産業革命が起こり、一人あたりGDPが急成長を
始めるわけです。人力・馬力から蒸気機関をはじめとする機械の動力へと
移行しはじめたことで、人間一人あたりの生産性が急上昇していきました。
そして、80年代からは情報革命、90年代からはグローバル化がはじまり、
2010年代、それはもう劇的なかたちで進み、人々の生産性を一気に押し上げて
きています。
世界中の国々が「貧困をともなう格差」について、本格的に考えな
ければいけないタイミングにきている。そう感じる日々です。
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