先日もある産官学が集合するソーシャル・ビジネスプロジェクト
のミーティングに参加していました。
ソーシャル・ビジネスプロジェクトを進めるに当たって
非常に重要なことは、調整役が、それぞれのステイクホルダー
(利害関係者)の視点を持っているということです。
調整役とは、町長かもしれませんし、外部のコンサルタントかも
しれませんし、民間の代表者かもしれませんが、いずれにしても
そのプロジェクトを頓挫させず、進めていくための司会者のような
役割を持つ人です。
例えば、自治体は、その地域に住む人たちに全員のために
動いているということ。もっと言えば、地域の人たちに平等
に広くサービスを提供していくことがミッションなわけです。
一方、民間(企業やNPOなど)は、お客様、従業員第一で
動いています。
そして、大学のようなところは、学生第一、学生の家族第一
で動いていくことは当然でしょう。
よって、その地域を良くして行きたい!という思いがあった
としても、優先順位は変わってくるわけです。
こういった場合、調整役はそれぞれの視点を持ちながら、
進めていく必要があります。
例えば、今福島県では、原発の残骸、放射性物質を含んだ
ゴミの中間処理施設をどこにどのように作るか、が問題と
なっています。
例えば、志ある民間企業が「うちが持っているこの土地に
中間処理施設を作っても良いよ!」と手を挙げたとしても、
地域の自治体や大学が、もろ手をあげて賛成!というかという
と難しいわけですね。
それは、誰が悪いというわけではなく、それぞれ利害関係者が
違うから当然なのです。
そのような場合、調整役がしっかりと、民間が持っているA案、
自治体が持っているB案、大学側が持っているC案をそれぞれ
調整してD案に持って行くことが非常に重要なのです。
このような複雑な問題の解決の場合、調整役は、どれだけでも
泥を被ろう!という気概、器が必要です。
一流と二流の一番の違いは何か?
それは、「人を巻き込み、仕掛けることができるかどうか」
ということなのです。
一流の人間が調整役にまわることができるとすると
そのソーシャル・ビジネスプロジェクトは前進していきます。