IBMのポール・ブロディー氏が次のプレゼンテーションを発表しました。
「The Software Defined Supply Chain〜How it will change product design and the conpetitive landscape in every industry〜(ソフトウェアがサプライチェーンを定義する〜あらゆる製造において、プロダクトデザインと競合の風景はどのように変化するのか)」
こちらの資料には、製造業進化の大きな要因は「3Dプリンティング」と「知性を持ったロボット」、そして「オープンソースエレクトロニクス」であるとしています。
さらにこの3つは、それぞれが別れているわけではなくお互い連携をしてくる。そしてその中で、Social、Mobile、Local、Cloudというトレンドが後押しをしていくとしています。
Socialとは、クラウドソーシングによる製造デザインのこと。そしてLocalとは、地域にこだわらなくなること。そしてMobileとは、製造システムがよりコンパクトになり、性能が高まる中で、場所を選ばなくなること。Cloudとは、それを支えるクラウドコンピューティングのことです。
これによって、製造を劇的に速くする新たな”ソーシャルデジタルデザインエコシステム”が構築されることになります。
このトレンドによって、会社にどのような変化をもたらすのか?それは、次の5つです。
1つ目は、オープンソースによって、デザインコストはより下がっていく。
2つ目は、スケールメリット(規模の経済)による価格の優位性は落ちていく。
3つ目は、より素早く市場へ製品を投入できるようになる。
4つ目は、部品などを調達するサプライヤー及び製造プロセスが削減される。
5つ目は、必要な資金がはるかに少なくなる。
結果、「より多くの競争」が生まれてくる。この21世紀の産業革命によって、製造プロセスは大きな進化を遂げていきます。
ものづくりが再びシャッフルされる
こちらは、Makerbotの3Dデータ共有コミュニティー”Thingivers”に投稿されているデータについてグラフ化したものです。
上の図は部品の数。指数関数的に伸びていることが分かります。また下の図は、部品の複雑性を表すグラフです。複雑なデザインも徐々に増えてきていることが分かります。
3Dデータの普及は、3Dプリンタ普及の重要な要素の1つであると同時に、産業革命そのものを支える要因でもあります。
現時点で、日本のエレクトにクス業界は不振が続いていますが、今後、この状況を捉えて、対策を施さなければ、更なる追い打ちがかかってくることでしょう。
また、自動車業界は現在好調をキープしているようですが、クルマのオープン化も世界的には確実に広がりをみせています。日本もこの流れをしっかりと捉えていくこと期待します。
一方、ものづくりベンチャーにとっては大チャンス。IT業界のように、今後面白い動きは活発化していくことでしょう。
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