オープンサイエンス革命。「ミクロの貢献」という重要なコンセプト

[2013/5/16]
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オープンサイエンス革命という書籍が2013年3月に出版されています。

書籍の中には「オンラインコラボレーションの成功条件」という章があり、21世紀のキーワードとも言える「ミクロの貢献」という言葉があります。

以下、その部分です。

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同様なミクロの貢献のパターンは他の多くのオンラインコラボレーションでも見られる。Wikipedia においても一行のみの記事の修正が最も多く、リナックス のコード修正でも同様だ。IT 企業、SAPの2人の学者オリヴァー・アラファト、ダークリールは、このパターンが一般的であることを明らかにしている。ポリマス・プロジェクトのリーダーキムがわずか1回の投稿に盛り込むアイデアは一つだけに絞り、自分だけでアイディアを膨らませすぎないよう参加者に要請している。

(中略)

また、ミクロの貢献はプロジェクトの敷居を低くすることで、より多くの人々へと門戸を開き、個人が貢献できるアイデアを膨らませすぎないよう、参加者に要請している。その結果、コラボレーションに導入される専門知識の範囲は拡大する。

 (中略)

ミクロの貢献は参加者がそれを共有することで1人では考えつけない刺激的なアイデアや洞察を生み出す。ポリマス・プロジェクトやマスワークコンぺティションに参加してる個々のメンバーは、例え煮詰まっても、刺激的なアイデアが他のメンバーによって投稿されるまで数時間程待っていれば良い。あるいは、既存のアイデアに新たな刺激を求めて投稿済みの記事を丹念に調査するのもよいだろう。

のようにミクロの貢献は何かが進行し発展してるという感覚や自分自身が袋小路に陥っても、他の参加者の手も物事がうまく進められているという感覚を生み、活気に満ちたコミュニティを築き上げる基礎になっている。広大なアイデアの領域を迅速に探索できるよう導くミクロの貢献は強力なコラボレーションパターンの一つである。

 ———————————————————–

身近な例で言えば、Facebookグループ上で、コミュニケーションを取りながらちょっとしたアイデアを書き込む。好きな投稿をシェアする。これもミクロの貢献です。

現代の私たちに、必要なことは、この「ミクロの貢献」に関しての体系的知識だろうと思います。

これからのキーワードである、コラボレーション、クラウドソーシング、評価経済、オープンエデュケーション、伝播投資貨幣、パラレルキャリアなどなどのキーワードは、まさにこのミクロの貢献についての深く関連していると思うからです。

 

「ミクロの貢献」はこれからの重大テーマ

 sunsetphoto credit: MigRodz via photopin cc

人間は、「密接な関わり」が必要です。そこには、家族という無条件の愛が与えられる場であったり、これぞ私の使命!と言える自己実現や他者への強い貢献が与えられる場も必要でしょう。

しかし、21世紀はこの「密接な関わり」だけでなく、「緩いつながり」の中で、人としてのより多面的な側面を解放していく「ミクロの貢献の場」が大切になるのでしょう。

そこにはギブ&テイクという「交換」の思想ではなく、期待をせずに与えるという、あの古く懐かしい「贈与」いう思想を復活させます。しかし、そこには単純な懐古的な復活ではなく、より高度に復活するのです。

また、このミクロの貢献は、今後ビッグデータやデータサイエンスの分野で追求されていくことになるのですが、そこには自ずと限界があります。それは、科学という思考法の限界があるからです。

科学の思考法は「分析と総合」です。

一つのもの多くの要素に分解し、その一つ一つの要素を分析する。そしてそれを組み合わせて全体としてどうなのか?を知る方法を取るからです。

例えば心臓について分かった、肝臓についてわかった、腎臓についてわかったとしてもそれを組み合わせることによって、人間という存在自体がわかるわけではありません。

前頭葉についてわかっても、側頭葉についてわかっても、海馬についてわかったとしても、それを統合することによって、人間の複雑な感情を把握することは難しい。 

つまり、「要素を組み合わせた時に、全く別の新しいものが立ち現れる類いのもの」に関しては、科学だけでは解決できなくなります。

そういった意味では社会が複雑になり、科学だけでは解決できないものも多くあります。

よって、そこには直感や感情を含んだ演繹的な思考であったり、哲学的発想、事業で言えば、理念やイメージ、ブランディングという非常に抽象的なところに関する理解も必要になってくるのでしょう。

例えば、イメージの悪い企業が、ミクロの貢献を求めた場合、そこには予想もできないような多大なマイナスを生むかもしれません。しかし、イメージの良いNPOが、ミクロの貢献を求めた時には、そこには予想もしなかった大きなプラスを与える可能性が高いのかもしれません。

いずれにせよ、この「ミクロの貢献」は、これから大きなテーマとなることでしょう。

 

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