私も表参道に行く時に、たまに食べるアイスクリーム「Ben & Jerry’s」。こちらの会社、米国バーモント州サウス・バーリントンで1978年に誕生しています。結構、歴史があるのですね。
このBen & Jerry’sがニューヨーク、ワシントンD.C.、サンフランシスコ、シアトルなどの限定新商品をオンライン上の投票で決める「City Churned」というキャンペーンを実施しています。
例えば、ベースは「フローズンヨーグルト vs アイスクリーム」どちらが良い?という感じで聞かれるので、好きな方に投票していきます。はい、私はアイスクリームがいいです。
トッピングは「ブラウニーか、マシュマロか?」はい、ブラウニーがいいです。
このように8つほど投票できるようになっており、それぞれの投票で勝った原料を総合的に使ったものが「地域限定の新商品」になります。ちなみに、ネーミングもツイート形式で提案できるようになっていますね。
主役は「企業」から「市民」へ
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企業が「クラウドソーシングによって、製品を開発していく」という流れは今後も加速していくことでしょう。
日本においても古くは、無印良品の空想空間などがありますが、ソーシャルメディアの環境が整い、これからは日本においても益々こういった取り組みは増えていきそうです。
しかし、一方でこれからの課題になることは、「参加者へのメリットの還元」です。ただBen & Jerry’sが、「自社商品の開発を市民に任せます」という論理だけでは、今後行き詰まっていくことでしょう。
理由は、市民の側へのメリットが余りに小さいからです。
そして今後は、社会性と組み合わせる、参加した人達にバーチャルマネーやポイントの提供をするなど、様々な還元方法がとられていくことが予測されます。
そして、これらを突き詰めていった先に見えるものは、より「Ben & Jerry’sは、お客さんのもの、市民のもの」となっていくということです。
今、「これからはプラットフォーマーが、全てを牛耳る」というような発言をよく耳にするようになってきています。民主主義は終わったという表現すら出てくるほどです。
確かに、一時的には、そのように見えることはあります。また、ある側面から見ればそのように見えるということも分かります。
しかし、「クラウドソーシングによって、製品を開発していく社会」を突き詰めて全体像を捉えていけば、決してそのように単純な権威主義的にはならないと思うのです。
Ben & Jerry’sと言えども、もし「うちの商品、皆さんが作ってよ!」という態度だけを示していったのなら、きっと、一部の熱狂的なファン以外は、支持を示さなくなるのでしょう。そこから、評価に対する致命的なダメージを受けることだってありえます。
「21世紀は、企業ではなく、どこまでも、市民(個人)が主役」。これは、大潮流として進んでいきます。