コンセプトは「バスルームにエキサイティングなカクテルバーを」。お〜、面白い。
こちらは、シャンプー素材を独自にミックスさせて自分の好きなシャンプーを作ることができる「CONCOCTION」。
シトラス&ブラックペッパー、ローズマリー&ミントなど最初に2つの香りを選びます。 そして、 オプションとして「より水みずしく」「ストレートヘアに」「髪のボリュームをあげる」などを選択し、購入ボタンをクリック。
気になる価格ですが、1本14ユーロ。先日、顧客の好みにあわせた口紅を7分で作る「BITE」をご紹介しましたが、「商品のカスタマイズ」は今後の大きなトレンドとなっていくことでしょう。
「カスタマイズ」の先にあるもの
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今は、この「自作のカスタマイズ商品を購入できること」の先にあるものについて考えておく必要があると思っています。
その仮説の1つが、「モノをカスタマイズする、モノを作るというところに、『自己実現』を満たすプロセスを入れ込む」という視点です。
「自分が気に入ったものを【消費する】」という文脈において、カスタマイズ製品は、自分にあっていると思われれば既存の製品にさえ負けてしまうでしょう。
CONCOCTIONのシャンプーも、資生堂の新製品に負ける可能性は十分にあるわけです。
しかし、「自分が作った」という自己実現感覚の提供をサービスとして研ぎすますことができたのなら、消費という文脈のライバル製品には、簡単に負けることはないでしょう。これからの時代の欲求の1つは、自己実現感覚です。
そして、その自己実現は、結果的に「何かの社会的な価値」につながるとより良いのでしょう。例えば、今回の事例で言えば、自分が作ったシャンプーによって、「評価」や「利益」が自身に入るという仕組みです。
そのような難しい仕組みにまでチャレンジしていけるところが、21世紀の会社、大衆のプラットフォームとして生き残る会社なのではないかと思っています。
サラリーマン1000人に対する調査で「8割の人が外で飲む機会、月1回以下」というびっくりするようなニュースが流れました。これまでのように居酒屋を「食べ物、飲み物を消費する場所」と位置づけ続けることは、もはや限界なのかもしれません。
そして、あらゆるこれからの企業が注目するべきポイントは「生産社会のプラットフォームになれるかどうか」という点なのだと思っています。
ただ、この場合これまでと「ルールそのもの」が違うので、多くの会社が適応に戸惑うことでしょう。