これは素晴らしい!!!
1人1人の口内に合わせてカスタマイズされた歯ブラシ「Blizzident」。
口内を3Dスキャンし、形状は3Dプリントして作ります。内側には歯ブラシの毛がついていて、これをマウスピースのように口に含み、噛むだけで歯が磨けてしまいます。その間たったの6秒。なんと。
横から見るとこんな感じ。
素材は樹脂で、光造形技術で3Dプリントされます。
気になる価格は299ドル(約3万円)。年に一度のブラシ交換には159ドル(約1万6000円)がかかります。
ちょっと高いな〜と感じるかもしれませんが、1回のハミガキにかける時間を3分とすると、なんと時間を30分の1に節約できます!
人生という時間軸で見ると、大幅な時間節約になることは間違いありませんね。
実際のところは、もうちょっと価格が落ちてくると爆発的に広がる予感。ハミガキ革命間違いなし、といった感じです。イメージ動画はこちらから。圧巻です。
再設計とオーダーメイド
オーダーメイドと言うと、スーツや靴を思い浮かべます。また、最近だとオーダーメイドランドセルなんかも広がっているようですね。
オーダーメイドという言葉の意味は、「既存のモノを自分のサイズにあわせること」。オーダーメイドスーツと言えば、自分の肩幅や丈に合わせたピッタリのスーツを作るということです。
今回の歯ブラシは、このオーダーメイドの考え方だけでなく、ハミガキ自体の再定義、再設計を行っていることが分かります。
3Dプリンタ時代、コモディティー商品以外は、あらゆる製品がその人に合わせたオーダーメイドとなっていくでしょう。
しかし、ここで考えるべきは、「サイズを調整する」オーダーメイドの考え方だけでなく、「製品そのものの再定義、再設計」を行っていく中に、新しい価値を創造できる大きな可能性が含まれてくるということです。
例えば、「いつでも時間を確認する」製品として、胸ポケットやカバンに入れて持ち歩ける「懐中時計」は革命を起こしました。
しかし、「いつでも時間を確認する」というライフスタイルとして、新しく登場してきた「腕時計」は、懐中時計よりも手軽に時間を確認でき、ファッションにもなることから、懐中時計に代わり一気に世界に普及しました。
懐中時計から腕時計へ。これもまさに、製品を再定義、再設計して生まれてきた製品です。
3Dプリンタ時代は、あらゆるカタチを再現できるという意味で、製品の再設計・再定義に適した時代と言えます。
「ハミガキって本当にこの方法でいいの?」といった根本的かつ素朴な疑問と、オーダーメイドのコンセプトが掛け合わさることで、全く新しい製品が誕生する。人類の生活が変わる。
今後もこういった流れの中で、革命的な製品が多数生み出されていくことでしょう。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
※Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになりました。