「クラウドソーシングは、21世紀の働くインフラである。」益々その様相が世界的に強まっています。
ブログ専門のクラウドソーシングサイト「BlogMutt」が、ブログを書く登録者にストップオプションを付与するシステムを導入すると発表しました。
BlogMutt First to Give Stock Options to Crowd of Workers
BlogMuttには、3000人を超える企業向けの記事を執筆する人が登録されています。利用者(発注者)は毎週記事の執筆コンテストを行い、ベターな記事を選択、更に編集依頼をかけ、ベストに仕上がった記事を自社ブログに投稿。このサービスが月額89ドルで利用できます。
各界の様々なコラムニストが記事を投稿するハフィントンポストが、2011年に3,15億ドル(約300億円)でAOLに売却されましたが、そこに参加する人に何も利益がなかったことを例にあげ、BlogMuttが今後成長していった場合、登録者(参加者)にキャピタルゲインを受け取って欲しいとのこと。
もちろん、企業が従業員に株式を分配するように、記事執筆者のBlogMuttへのロイヤリティーを高めるということにもなるわけです。
クラウドソーシングサイトは、様々な社会保険からストックオプションまで、参加者へのフォロー制度を強めています。クラウドソーシング登録者は、益々企業における労働者と同じような立場、待遇へ近づいていきそうです。
実はクラウドソーシングの進化系「ココナラ」
みんなの「得意」を500円で売り買いできるクラウドソーシングサイト「ココナラ」の代表である南さんとランチをしてきました。
南さんが話されていたことで、非常に興味深かったことは次の内容。
「今のクラウドソーシングは、発注者側のツールです。僕たちが目指す世界は、供給者側のプラットフォームであり、人格と能力が可視化され、カタログ化された世界です」
まず、「今のクラウドソーシングは、発注者側のツール」という部分ですが、ここは確かにそうですよね。つまり、ロゴを作りたい!WEBサイトを作りたい!と思ったら、クラウドソーシングサイトに入ってコンテスト形式で発注する。
たくさんの提案が入ってきて、そこからベストなものを発注者が選ぶ。つまり需要者(発注者)側にとって便利でお得なツールです。
一方、ココナラが目指す世界は、「供給者である個」を主役とする世界。南さんは、それを一言で的確に「人格と能力が可視化され、カタログ化する」という言葉で表現されました。
ここには唸ってしまい、私としては「あ〜、なるほど。ということは、ココナラは2015年移行のプラットフォームですね」と返したのでした。
これからは、「企業の中の抽象化された個人」ではなく、「本来の多面的で具体的な『個人』」が主役になる時代です。
今後もココナラは、続々と新しい機能を追加していくことを考えていて、多面的で具体的な個人のための「新しい働くプラットフォーム」として進化していきそうです。
月内にも注目の新しい機能が追加されてくる模様。乞うご期待!
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」