タイムバンク(時間銀行)の確実な軌道は、今、未来を捉えようとしています。
「ECHO」は人が1時間働いた単位を1エコーという価値をつけ、お互いのスキル、サービス、資源等を交換しあう英国発のサービス。一言で言えば、タイムバンクのオンライン版です。
働いた1時間を1エコーとして貯めることができ、エコーを使ってやって欲しいことを行ってもらえます。自身が翻訳をやってエコーを貯め、そのエコーで他の誰かにWEBのコーディングをお願いするということができるわけです。いわゆる時間が代替通貨の役割を果たすわけですね。
ECHOには個人だけでなく、企業や団体も参加しており、空いている時間をエコーに変えていくことができますし、同時にCSRという名目で関わることもできます。また、NPOなどがエコーを獲得していくことは、後々必要な資源を調達する際の有効な手段になりえます。
以前、米国カリフォルニアにある町レイクポートのタイムバンクメンバーが400名を超えてきたことをご紹介しました。人口4,753人ほどの町ですので、町に住む1割近くの人がタイムバンクを利用していることになります。静かにではありますが、国や地域によっては、これほど影響力を広げているわけです。
【参考】
・時間が代替通貨となる時。人口の1割が「タイムバンク」を利用しは始める
そして、ECHOは、英国各地のタイムバンクを支えるプラットフォームとなるべく活動を広げています。つまり、エコーという時間の代替通貨をどの地域のタイムバンクでも利用できるようにしていくということです。
ちなみに、仕組みとしては、オンラインバンキングシステム「Cyclos」を利用しています。いつでもどこでも共通利用できる時間通貨の出現が、タイムバンクを広げる土台を整えようとしています。
日本にも共通の時間通貨とタイムバンクを
日本において、このタイムバンクのシステムは、地域における実証実験やパイロットプロジェクト程度のものしかありません。
今後もオンライン版のタイムバンクサービス及び共通通貨によって、どの地域においても共通利用できるという土台が構築されなければ、広げることはやはり簡単ではないでしょう。
よって、日本においても誰かが、オンライン上のタイムバンクサービスを開始し、エコーのような時間の共通通貨を作る。
そして「働く=貢献する喜び」という、タイムバンクのコンセプトに賛同してくれる地域のNPOとの連携しながら、ネットワークを広げていきます。そこで、仕組みとカルチャーの啓蒙を行いつつ、その地域のNPOが主体となって、自治体との連携も模索。
その利用や時間通貨の進展が見えてきたところで、つまり、日本における共通の時間通貨が認識されてきた段階で、クラウドソーシングサービスとの連携も模索していきます。具体的には、クラウドソーシング上で扱う通貨として、時間通貨を導入していくということです。
このような流れで広げていける可能性は十分にあるでしょう。時間通貨は、現在の通貨を完全に代替することはありませんが、21世紀における重要な代替通貨の1つとなりそうな予感。ご興味ある方は、是非、チャレンジを。