シェアの概念は、私たちに重要な1つの問いを投げかける。それは「知らない人を信じることができるか?」という問いである。それは信用のパラダイムに関する命題でもある。
「Winston Club」は、一流のホテルの部屋を、共有して安く宿泊するサービス。「値段は半分で2倍の心地よさ」がコンセプトだ。宿泊の際に、WiFiやプリンタ利用はもちろん、ジムやサウナやプールのような設備まで使用できるホテルが登録されている。
20世紀、私たちは身体的存在であることを強めてきた。欲しい物がいつでもどこでも手軽に手に入れられることを目標としてきた。しかし、人類は、身体的欲求を満たすことは、必ずしも幸福と直結していないことを知る。
人間は心を持った生命的存在である。シェアリングエコノミーは、コスト削減、環境保護、もったいない文化を拡張しているわけだが、その深層には更なる生命的欲求がある。それは経験したい、成長したいという欲求だ。
人間は人間によって磨かれていく。今、孤立化を深めた人類は、人と人との新たな関係性に挑戦している。この生命的欲求のエンジンが、さりげなく稼働することによって、シェアリングエコノミーの大いなるチャレンジが各所で成就しようとしている。
Winston Clubのようなサービスは、賛否両論を生みながらも、ホテル宿泊の新たな選択肢として認知されていく可能性は小さくない。
次世代ビジネス&働き方を一緒に生み出そう。
「Social Design Salon」