ハードウェアのコラボレーション設計プラットフォーム「Upverter」が興味深いインフォグラフを発表したのでご紹介。
図は、スタンフォード大学の社会学者であるエベレット・M・ロジャースの「普及理論」をハードウェア革命に当てはめたもの。ポイントを拙訳でご紹介。
・現在ハードウェア革命は、アーリーアダプター(初期少数採用者)の半分くらいのところ
・2014年には、洗練されたハードウェアプロダクトのプロトタイプを一晩で作れるようになる
・2016年あたりから、大規模なオンデマンド製造が可能になる
・2019年あたりには、販売後のフォロー的な営業活動よりも、事前の営業活動の方が重要となる(ハードウェアにおける予約販売が普通になる)。そのための予約販売プラットフォームも充実している
・2020年、インターネット接続されたデバイスは世界中で800億以上となり、これらのデバイスの50%以上が、新しいハードウェア企業の製品となる
・2025年には、アップルのような革新的なハードウェアメーカーが100以上存在する
また、こちらのグラフは、業界のトレンドを示した図です。
・予防医療関連のハードウェアブームは、2017年くらいまで続く
・医者が行うような対処療法的医療に関するデバイス開発のトレンドは、2020年くらいから始まる
・現在始まっているドローンや物流に関する革命は2021年くらいまで続く
・エネルギーや輸送関連デバイスのトレンドは、2014年から始まる
・農業関連の革新的デバイスが登場してくるトレンドは2018年くらいから
なるほど…これは、重要な予測データとなりそうです。
やるなら「ハードウェアメーカー」を
photo credit: Stuck in Customs via photopin cc
ここからもよく分かりますが、「大企業の存在意義」が大きく揺り動かされています。
お金や規模に関わらず、「ハードウェアメーカー」を本格的に立ち上げられてしまう時代に入ったということです。
現在、様々なものづくりトレンドが日本中、世界中で生まれています。
ハードウェアムーブメントがここ10年で一気に世界中を覆う中、「せっかくものづくりを始めるなら、ハードウェアメーカーを」というくらいの気持ちが今はちょうど良いくらいでしょう。
2025年には、アップルのような革新的なハードウェアメーカーが100以上存在するという予測を紹介しましたが、ここにたくさんの日本のメーカーも存在していることを願います。
いや〜、メイカーズ革命は本格的に、現在の産業構造を変えていきますね。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」