オーストラリア・メルボルンのプロジェクト「HerbShare」が近未来的。
一言で言えば、自分が育てているハーブを皆で共有するサービス。ハーブは、バジルやルッコラ、クレソン、ローズマリーなど食事によく添えられるものが中心です。
マップ上にハーブの種類と住所を入れて検索すると、共有されているハーブが出てきます。
共有可能なハーブには、こちらのように”ハーブシェアマーク”が設置されています。
「ディナー用に持っていってください」と作り手が看板を作っている例も。
基本、信頼をベースとして作り上げられる善意の共有システムですが、評価やフィードバックを受け付ける機能を設けながら、分配の偏りにも配慮をしていくとのこと。一人の人が同じ場所のハーブをただ大量にもらうだけ、というようなことがなるべく起こらないようにしていくということですね。
私は福島の田舎出身で、家族ぐるみで近所の方から野菜などをあげたりもらったりしていました。でも、当然のことながらいつも欲しいものばかりをもらえるわけではありませんし、与えられるわけでもありません。
気持ちの部分もあるので、このリアルな文化を否定するわけではありませんが、HerbShareのようなオンライン上の共有サービスが登場する中で、これまでの文化がより良い形に再構築されてくる可能性があります。
自分が与えられるものを、その共有の生態系へと提供し、自分もその共有の生態系から何かをいただくという、より最適化された自然な文化の登場です。私たちが向かう方向性はきっとこちらなのでしょう。
現在、「HerbShare」はクラウドファンディングで資金調達中でもあります。この資金でスマホ対応含め、WEBサイトをより進化させていくとのこと。いずれにせよ注目したいプロジェクトです。
共有のための統合マップに期待
PHOTO: holidays and tourism concept from Shutterstock
現在、世界中に共有系マップが増えています。
具体的な事例で言うと、Sharing Cities Networkというコミュニティーが、地域でシェアできるものをGoogle MapにマッピングしていくMap Jamという取り組みを行っています。
今は、コワーキングスペースやカフェなどの”共有スペース”の表示を中心としていますが、この一歩先には、道具、もの、サービスなどもマップ化されていくことが予想されます。
「地域」と「キーワード」で検索すると、近所で共有されているものを全て表示してくれるという近未来。
環境や経済性を考えても広がるべくして広がっていく潮流です。その中で、新たな地域のコミュニティーが再構築され、21世紀型のセイフティーネットとして定着していきます。