転職を促すための非現実的な給与予想ではなく、クラウドソーシングを利用し、現実的な自身の給与を確認する時代がきそうです。
こちらはクラウドソーシングとアルゴリズムで、自身の給与を確認することができる「Salary Fairy」。
使い方は至ってシンプル。ビジネス系SNS LinkedInでログインし、自身の職歴、経験、スキルなどを入れていきます。
実際に給与の査定には、ちょっとしたゲーミフィケーションの要素が入っており、優れた予測をする人には、ポイントが与えられるようになっています。また、あまりに突飛な査定データはアルゴリズムで削除される仕組み。
そして、20名が給与予測をした結果を、レポートとして登録者に送信。
また、就職をした時の実際の給与データなどをSalary Fairyにフィードバックしてもらう仕組みになっており、それを元にアルゴリズムは修正されていきます。
まだ立ち上がったばかりのサービスですが、現時点で5400名が登録され、7万4,000ほどの給与予測が行われているとのこと。
Salary Fairyは、転職などを考えている人が最初に来るサービスとなりそう。よって今後は、それを利用して人材紹介事業等にも参入していく模様です。
このモデルは日本でも広がるでしょうね。挑戦してみたい!という会社、スタートアップは応援しますので、是非どうぞ。
思っている以上に日本の賃金は安い
日本の最低賃金が安いことが、話題になっています。日本の最低賃金は都道府県平均で764円ですが、これが世界と比べても非常に安い。
【参考】
・日本の最低賃金、国際的には高い?低い?」
失業率が他国より低い分、給料が安いというもっともらしい言い訳はあるのですが、今や相対貧困率もアメリカと同水準にあることを忘れてはいけません。例えば、日本において子供の貧困は6人に1人と高水準です。
また、書籍「21世紀の資本主義」で明らかにされたことは、資本収益率が国の成長率を超える社会においては、常に格差は拡大していくと言う事実。つまり、資本主義300年の歴史は格差拡大の歴史であることが証明され、今世界が揺れています。
格差拡大の大きな要因は、”経営陣が給与、内部留保を決められること”です。
【参考】
・“不平等の統一場理論”に世界が揺れている!この時に出るべくして出た書籍「21世紀の資本論」
この事実を知り、理論武装した大衆は、この社会をなんとかしたいと願い、具体的に動いていくでしょう。
日本においても大手外食チェーン店が人手不足に悩むなど、雇用環境は着実に変化しています。今後は益々働く価値観も変わっていき、ご紹介したSalary Fairyのようなサービスも登場していく中、会社ではなく、働き手中心の時代が必ず来ます。
会社、経営陣の最大の仕事は、お客様の満足を高めるだけでなく、その会社で働く人にとってどれだけ働きがいのある会社にしていけるか?となるでしょう。