日常を忙しく生きる中で、”アート”を購入するまでの道のりは、なかなかに長い。
その道のりを遠くする”壁”はいくつかあるが、それを解決するサービスが「Kollecto」だ。パーソナルアートアドバイザーが、おススメの手頃な価格の作品の購入をサポートしてくれる。
気に入ったアートを購入検討する場合は、アドバイザーがその作品の価格交渉までも行ってくれる。そのために支払う手数料は、購入金額の10%だ。
また、Kollectoは、購入の際の、分割払いも支援してくれる。1,000ドルの作品を買う場合には、3ヶ月支払いで、月額395ドル(手数料込み)、また6ヶ月払いであれば、202ドル(手数料込み)を支払う計算となる。
アートコレクターになれる!という言葉も並んでいるが、アートに関して、自分の目を養うための教育的側面も有するサービスである。
時代の要求もあり、アートをより身近なものにするためのサービスは、今後益々注目を集めていくことだろう。
【参考】
・芸術の力を可視化する。アートを見た時の感情を測定するオークション
・アーティストのための作品販売プラットフォーム「Crated.」
アートのサブスクリプションモデルの可能性
PHOTO: artist paints a picture of oil from Shutterstock
私は、芸術もサブスクリプションモデル、つまり定期レンタルモデルでの提供は、十分に考えられると思っている。
先日、チューリッヒ美術館展を鑑賞しに、新国立美術館に行った。
アーティストのこれしかない、そこしかない、というところまで、突き詰められた重厚な生の輝き、二次元という平面の制約を引き受けても、なお衰えることのない絵画の生命力は圧巻である。
そこには、デジタルや印刷では感じることのできない、何かが確かに宿っていた。
それらのなまの芸術の素晴らしさを、自宅で感じるためのサービスが広がる可能性はある。月に一度送られてくる、自分の志向性にあった絵画を、最も大切な空間に飾るという経験。その中で、心から感動し、気に入った作品は、買ってしまえばいい。
このようなサブスクリプションモデルは、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスの芸術バージョンとも言える。今だからこそ成り立つ、アーティストと顧客をつなぐ新たなサービスモデルの登場が期待されている。