ドローンマーケットの急拡大は、その影響をあらゆる業界に広げていく。
「Airstoc」は、高品質で格安なドローン動画のマーケットプレイス。Sunrise(朝日)と検索すると、次のように176個の関連動画が現れる。
こちらは、朝日と海に向かってサーファーが走っていく映像。この後ろからドローンが追いかけ、追い越していく。まさに映画のワンシーンのようだ。ちなみに価格は250ユーロ(約3万6,000円)
こちらは、夕日の沈む海をドローンで撮影した映像。幻想的で、いろいろなシーンで使えそうだ。こちらも250ユーロ(約3万6,000円)。
自分が求める映像を撮影するために、このプラットフォームを通じて、ドローン撮影者を雇うことも可能。映像の撮影コストが劇的に下がっていくことは、この動画時代の大きな福音となりそうだ。
個人映像が、”思い出”を超える時
PHOTO: vintage photo of movie from Shutterstock
未来の働き方の1つに、このような映像制作は、間違いなく柔軟なファクターとして存在する。
現時点で、山の手線が、Youtuberの広告で満ちる時があるわけだが、その鮮烈さは、これから年々増していく。
個人が撮影する映像は、これまでほとんどの場合、”思い出”に紐づいていた。それは、親が子供の動画を残すために必死にスマホをかざすようにである。
今でも、私の実家には、小学校卒業時にもらったビデオが残っているが、それは、6年時の担任が、当時の大きなビデオカメラで1年間児童を撮影し、編集したものである。このように、常に、個人が撮影する映像は、メモリアルなものだった。
しかし、これからの個人撮影する映像は、商業社会の中に確実に飲み込まれていく。”飲み込まれる”というと、ネガティブな印象かもしれないが、それは、”新たな働き方”というコンセプトの中で、うまく昇華されていく。
映像の民主化が、これからの働き方を支えるワンピースとして認識される日はいつなのか。その物語の序章は少なくとも今始まっている。
※2015年の経済社会を予測した書籍「2015年 日本はこうなる」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)のドローン部分で一部協力させていただいた。ご興味のある方は、是非。