国内だったら渋谷・恵比寿、米国だったらシリコンバレーやたまにニューヨーク。スタートアップの話題は、限られたエリアから聞こえてくることが多い。
しかし、例えば南米のスタートアップに素晴らしいチーム、とりわけ、社会問題にとりくむ素敵な起業家が多いのをご存知だろうか?
昨日、アライアンス・フォーラム財団と米州開発銀行が共催した、南米ベンチャー企業経営者との交流会があった。イベント会場は、以前も記事にした「横浜グローバルステーション」だ。
【参考】
・コワーキングスペースが支店機能を持ち、グローバル展開の拠点となる世界
その場のプレゼンテーションにあった南米で活躍するソーシャルグッドなスタートアップをこの記事では紹介をしたい。
家畜の見守りサービス「CHIPSAFER」
CHIPSAFERは、ウルグアイのスタートアップ、ieetech社が提供するサービス。
牛(家畜)の安全を見守るためのサービスだ。
指定した区域の外に出るなど、異常が感知されると飼い主にアラートが送られる。
安全を見守るという意味でももちろん有意義だが、盗難を防ぐ点も高く評価されている。
http://www.ieetech.com/?q=node/24&language=en
障がい者のコミュニケーション支援LIVOX
LIVOXはブラジルのスタートアップ、AEC社が提供するサービス。
障害者のコミュニケーションを支援する、タブレット向けのアプリケーションだ。
エンジニアであるファウンダーのCarlos E. Pereiraが、障害をもつ自身のお嬢さんとのコミュニケーションを豊かにしたいと考えたことから生まれた。
使い手の特徴を学習するアルゴリズムに大きな特徴があり、視覚と発話の両方に困難をもつ人でも、すぐに使えるようになるという。
共同購入を加速させる「SOKOTEXT」
コロンビア(とケニア)で食料問題に取り組むスタートアップ。果物や野菜の共同購入を呼びかける、テキストベースのシンプルなアプリを提供している。食料が十分に行き渡らない理由が、生産量ではなく流通の非効率にあるというインサイトから、共同購入がその解決の糸口になることに気づいたのがきっかけ。
それぞれのサービスの素晴らしさはもちろんだが、今回のイベントは、人柄やプレゼンテーションなどからも大きな刺激を受けられる、素晴らしい機会だった。横浜グローバルステーションのこれからの発信に益々期待したい。
また、社会起業に限らず、スタートアップというと、英語圏の情報に偏りがちだが、より広い範囲からのインプットを得るようにすると、ブレークスルーのきっかけになることだろう。
【クエスチョン】
・日本や欧米だけではなく、より広い世界へとアンテナを広げ、次世代ビジネスのヒントを探してみよう