世界の店舗経営者は、インターネットにはできない価値提供のイノベーションモデルを渇望している。まるで砂漠で、水を求めるように…。
さて、1つ試飲というカテゴリーにイノベーションが起こった。カリフォルニアワインブランド「Beringer」が”試飲ステーション”という概念を生み出した。
消費者の93%が、購入において広告よりも試飲を重視する。また、試飲をして買う人の83%がリピート購入するというデータまであるようだ。購入の失敗が少なくなる効果が大きいのかもしれない。
以下の画像にあるような試飲ステーションが、ワインボトルの前に設置される。
そこからは、口の中で溶ける”薄いフィルム”が出てくる。それを口に入れると、香りと味を確かめることができるわけだ。フィルムはもちろん、ノンアルコール。
これまでも試飲は重要なマーケティング方法であった。しかし、試飲者は「一度飲んだら、購入しなければならないという無言のプレッシャーがあるため、気になっていたとして試飲しない…」という選択肢をとることも多い。
お店側もその人件費と商品原価を回収しなければならないため、必死。その緊迫した雰囲気を隠しきることはできないのだ。
しかし、試飲ステーションというコンセプトはお店側にとっても、利用者にとっても都合が良い。お店側のコストが下がり、試飲者も気兼ねなく香りと味を確かめることができる。
それは、「売る」という行為を「顧客体験によって売れていく」という次元に、スムーズに移行させる。このような「顧客体験」つまり「ユーザーエクスペリエンス」を店舗がどのようにデザインするのか。今後の重要な課題である。
【クエスチョン】
・「お店は売る場所ではなく、体験する場所」という考え方で、これまでにない新たなマーケティングスタイルを模索してみよう!