共有経済をフォローするのが、交換の経済だ。
フランス発の「Nightswapping」は、お互いの部屋を交換するプラットフォーム。誰もがAirbnbを思い出すと思うが、流通には貨幣ではなく、「Night」というバーチャルマネーを使う。
自分の部屋を課せば、Nightが貯まり、それを利用して、プラットフォームに登録されている部屋に宿泊できるようになる。このプラットフォームが今、順調に参加者を増やしている。
ちなみに、1回泊まるごとに宿泊者は約10ユーロをNightswapping側に手数料として支払う。よって、完全無料というわけではない。
しかし、次のようなフローは現実的になるだろう。空き部屋があった時はAirbnbに登録。しかし、泊まる人がいない時には、交換のプラットフォーム経由で少しでも部屋を貸し、Nightを貯めるという流れだ。すると、それは1つの保険のようなものになる。
更に、この交換のトレンドは、社会に新たな潤いある人間関係を築くための、予備的なインフラになる可能性もある。
テクノロジーの発展が加速するほど、人間は人間との関係性を深めていきたいと願う。それは無意識なまでにそう思うようになるのである。なぜなら、自分の存在的意義を薄めようとするのが、これからのAI社会だからだ。
人間は人間としての本来性に回帰する。現代的な交換経済は、その文脈の中に、さりげなく立ち位置を得ることになるのだろう。