書籍「ビジネスモデル2025」の先行販売が好調なようです。丸善 丸の内本店や紀伊國屋 新宿本店などでコーナーを作って先行発売を開始してくださっていますが、非常に順調な滑り出しとのこと。またAmazonでも予約販売が、かなり入っているとのことでした。有り難い限りです。
さて、今回は拙著「ビジネスモデル2025」にて体系的に記した21世紀の消費についてご紹介したいと思います。結論から申し上げると私たちの消費概念は進化をし、これまでの一般的な「買う」という行為は、氷山の一角になるということ。それを示した図が、以下の「価値消費ピラミッド」です。
買うという行為の前に、「作る」「もらう/あげる」「交換する」「借りる」という行為がくる。これは、Social Design Newsを日々読んでくださっている方々に、細々説明するまでもないかもしれませんが、情報密度が高く取引コストが極限的に下がっていく世界の中では、共有経済や物々交換経済、贈与経済が、高度にゆっくりと拡大することを意味します。
また、概念的にもっとも大きくなるのは「使用価値にアクセスする」というものです。例えば、燃費の安い電気自動車や自動運転車が一般的になる2020年代は、クルマというものも所有するのではなく、必要なときだけ使うという利用形態が広がる可能性が高い。
つまり利用者は、その用途、状況にあわせて最も適切な車種をその場に呼び出すようになります。例えば、高級なレストランに出かける時にはオープンカーを、夫婦2人で水入らずに出かける時には優雅なセダンを、またアウトドアに出かける時には4輪駆動のSUVを、そして地域にちょっとした買い物に行く時は、軽自動車をその都度使うわけです。
しかもそれは、スマホやウェアラブルデバイスによって簡単瞬時に行われることになるでしょう。まさにこの利用形態は、”クルマの使用価値にアクセスする社会”です。あらゆるプロダクト、サービスにおいてこのような消費形態が主流になる可能性がある。
また、それだけではなく、これまで基本的に考えられてきたビジネスモデルの各要素が、総合的にバージョンアップする時がこれからの10年です。
それを見越して、自社のビジネスをどのように進化させていけばよいのか。そのヒントになる情報、概念、理論をふんだんにご紹介していますので、ご興味のある方は是非手にとってみてください。
【主なキーワード】
・上がる生産性、上がらない賃金。これからの価値創造社会の実体は?
・高速化し、ギャンブル化する経済。新たなビジネスルールが出現した!
・取引コストだけでなく、在庫コスト、物流コストがゼロに近づいていく
・情報密度が極限的に高い社会は「思考が現実化する社会」
・重要なのは利益ではなく、社会における影響力、貢献価値の最大化
・ロボット産業は、意外と資本集約的でなく、参入障壁は低い
・個人と地域が活きるニューサプライチェーンが誕生する
・所有という概念が薄まり、使用価値へアクセスする社会へ突入
・ボットソーシングで、ロゴやウェブサイトを高度にデザイン
・技術的特異点と仏教的生命観。次世代ビジネスの哲学的基礎
※こちらの立ち読みPDFで、一部読めるようになっておりますのでご確認ください。