Napsterのファウンダー・ショーン・パーカー氏が、創設者の1人であるスタートアップScreening Roomが、物議を醸している。
劇場でしか観れない公開したばかりの映画を家で楽しむことのできるサービスを展開しようとしているからだ。気になる価格は、専用のセットトップボックスが150ドル、映画自体は1作品本50ドルとなる。ちなみに配信期間は丸2日の48時間だ。
この初期投資と1本辺りの価格をどう見るか。利用者としてみれば、家族で映画を観る場合は映画館に行って観るよりも、安くなる可能性はある。交通費、飲食代、映画チケットのトータルコストは決して小さくない。また、わざわざ映画館にまで行くという時間の節約をポイントにする人もいるだろう。
さて、震撼するのは、映画館だろう。最終的にはどのような落としどころになるのかは分からないが、現時点では50ドルのうちの20ドルを映画配給会社や映画館等の既存産業に分配をする予定のようだ。いずれにせよ、一筋縄ではいかないコンセプトであり、今後の動向を見つめたい。
さて、今「場」はコンセプトや機能性を利用者に合わせてどれだけインタラクティブに変化させることができるかが問われている。上記のようなサービスが登場・普及したら、映画館は映画配信機能を弱めざるを得ないだろう。
先日、とある一軒家をレンタルスペースとして運用されている方にお話を伺った。一軒家として貸し出してしまうよりも、利用者が好きなように使っていただくことをサポートする方が、収益率は良いということだった。今重要なのは「場の編集」という概念である。
書籍やメディアの記事を編集していくように、場自体を編集していく必要がある。それができる場の編集者は重宝されるし、編集されていく場を考慮に入れて、場を貸し出そうとするオーナーには大きなチャンスが眠っている。
今、”場自体”も時代の風を受けながら、進歩の歩みを速めている。
次世代ビジネス&働き方を一緒に生み出そう。
「Social Design Salon」