先日、3Dスキャナーと3Dプリンタを使って、自分のフィギュアを作ることができる「OMOTE 3D SHASHIN KAN(オモテサンドウシャシンカン)」についてご紹介しました。
そして、今後は地域の写真館や結婚式場などが、このようなサービスを始めていくという話をしましたが、なんと病院と3Dプリント事業者が組んで、胎児の3Dモデル作製サービスを始めました。その名も「天使のかたち」。写真館や結婚式場からではなく、病院から始まるとは…。
「天使のかたち」は、
”おなかの中の赤ちゃんを見てみたい”
”赤ちゃんが自分の中にいるこの感覚を忘れないでいたい”というお母さんたちの願いを叶えるため、最新技術BIOTEXTUREから誕生した世界初のマタニティモデリングです。
女性が最も美しくなるといわれる、あなたとあなたの中の赤ちゃんとの限られた時間。そのかけがえのないひとときを、「天使のかたち」は三次元に記録します。
いつの日にも、手に取ってその想い出を感じることができ、今の穏やかな気持ちが蘇ってきます。そしてやがて、成長した赤ちゃんが手に取って、あなたとの愛の絆を確かめてくれることでしょう。
想像や創作ではなく、あなたとあなたの中の赤ちゃんの真実を再現する「天使のかたち」は世界に一つしかない、美しい愛のかたちです。
こちらは、MRI(磁気共鳴映像法)スキャンをして、3Dプリンタで赤ちゃんフェギュアを作るサービスです。材料は合成樹脂素材。作られた模型は、母体の形を模した透明のブロックにケーシングされます。
実物はこのような感じです。しっかり、お母さんの透明なお腹の中にケーシングされていますね。
そして、気になる価格はこちら。
子供と親の永遠の絆が目に見えるカタチで手に入るという意味では、欲しい方は多くいらっしゃるでしょう。
侮るなかれ。3Dプリンタで広がるフィギュア関連マーケット
photo credit: Great Beyond via photopin cc
今後の3Dプリンタの進化を考えると「フィギュアを作る」ことは、3Dプリンタのごくごく一部の機能にすぎません。しかし、それでも侮るなかれ。「天使のかたち」を見ていただいても分かりますが、これ1つをとっても様々な可能性があることに気付きます。
・人生でたった一度の瞬間をフィギュアにするサービス
・そのフィギュアに細かな装飾をするサービス
・写真アルバムではなく、立体フィギュアで思い出を残すサービス
・スポーツ選手やアイドルの自分の一番好きな瞬間をフィギュアにするサービス
・映像、撮影関連の装飾品、備品を作るサービス
などなど、広がりは決して小さくありません。しかも、在庫を抱えなくてすみ、WEBサイト製作のようにほぼ人件費のみで運営できるモデルなので、参入障壁は低いです。よって、今後思いもよらなかった様々なサービスが生まれてくることでしょう。
市場としては、ギフト市場、写真・映像関連市場、芸能・スポーツ関連市場などには大きなインパクトをもたらすでしょう。
しかも近い将来、これらのフィギュアにコンピューターチップが埋め込まれ、声や映像もそのフィギュアから発信される、なんてことは普通になりそうですね。
デジタルファブリケーションは、既存のあらゆる市場に、思いもよらない影響を及ぼしていきます。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」