先日、人々の「買い物」を20%削減させることをミッションとしているソーシャルシェアリングツールyerdle(ヤードル)をご紹介しましたが、日本でも面白いシェアリング系サービスがリリース予定です。
その名もcomobaco(コモバコ)。モノを共有できるシェアボックスをリアル&ウェブ上に作成するというサービス。ユーザが持っているものを共有し、欲しいと思っているものは共同購入することができます。
「日本発っていいね!サービスがリリースされたら使ってみたい!」と感じる方も多いのではないでしょうか。
これもまたFacebookやLineなどに連携されてくるとすれば、その可能性を強く感じます。ソーシャル・メディア上の友人知人とモノをシェアしたり、共同購入したりということです。
「自分で買って所有する。そして自分で消費する」という消費社会の文脈に慣れてしまっている現代。「自分で買ったものをシェアする。またコミュニティーで買ってコミュニティーで所有し、消費していく」という概念を新しく復活させてくれるようなサービスです。
comobacoは、日本発のサービスを世界へ発信するためのコンテストSF JapanNightでファイナリストになり、現在CAMPFIREにてサンフランシスコ行きの渡航費を募集しています。応援を込めてのご紹介。
このように可能性を感じる面白いサービスが続々と生まれてきています。
More Is Less(少ないことは、豊かなことである)という世界的な潮流
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“More Is Less”という言葉、最近よく聞くと感じる方も多いと思います。
“何でもかんでもお金で買って、使い捨てる”という価値観に対するアンチテーゼとしてぶつけられる価値観の1つです。”持ちすぎないことが豊かなこと、かっこいいこと”といった意味あいがあります。
本田直之さんが「LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた」という書籍を出していますが、これで知ったという方も多いかもしれません。
元々は、20世紀のモドイツ出身の建築家ミース・ファン・デル・ローエが提唱した考え方で、日本の文化に影響を受けているとも言われています。いわゆる、一輪の花によって、空白すら活かそうとする日本的芸術の素晴らしさから学んでいるとも。
この言葉を現代の消費社会の文脈とぶつけることによって、新たな生活の価値観を表現していこうとする潮流が今、世界的に広がってきています。
当然、現代はモノや技術によって大きな恩恵を受けてきた側面もたくさんあります。「今、スマホがなければ仕事ができない」「コンビニがなければ、食生活がままならない」なんていう人も多い社会です。
しかし、それが現代において極限的に行き過ぎて、それらをもう一度より良く見直していこう!という気風が強まっていることは確かです。
リーマンショックの際、ある知人からこんな話を聞きました。リーマンショック直前まで自身の手持ち資産が10億円であった人が、リーマンショックによって7億円に減り、そのショックで自ら命を絶ってしまったと言うのです。
自らが持っているものが手放されるということは、それだけの衝撃があります。そして今「人類はこの衝撃に絶えうるか?」と皆心配をしているような状況です。
先日のyerdleの記事に対して、「スマート・デクラインのサインポスト」(賢くかっこいい下り坂の道しるべ)というキーワードとともに、シェアをしてくださった方がいました。まさに今スマート・デクラインのサインポストが世界中にたくさん生まれてきており、人類は絶対に大丈夫だと私は思っています。
人間は必ず歳をとります。当然、若い頃ほどカラダも動かないし、健康に気をつけなければならないことは当然です。しかし、得られるものはたくさんあります。経験、多様な人間関係、人の気持ちが分かるという感情的、精神的な財産。年をとりながらどんどん素敵になっていかれる方を私は多く見てきました。
世界にしても、日本にしても、単純に経済成長があるから幸せなのではない。モノが少なくなるからと言って不幸せになるわけではない。こんなことにもう多くの人がもう気付き始めています。これは新たに人類文明が進化を遂げようとしている1つの象徴的事象だと思っています。
「次の時代は、今よりもっと素晴らしくなる」これが日々世界中の動きを見つめる中で感じる、私の素直な実感です。