メイカーに必要な材料を少量販売してくれるインベンタブルズとカウフマン財団、そしてメイカーフェアが行ったDesktop Factory Competitionの結果が発表されました。
こちらのコンペの目的は、現在キログラムあたり30〜50ドルの3Dプリンタの樹脂材料を、キログラムあたり5ドルで調達できるようにすること。そのためにオープンソースのフィラメント押出成形機を250ドル以内で作るというものです。これはかなり熱いテーマ。
このコンペで見事賞金4万ドルを獲得したのは、ワシントンに住む83歳の発明家、ヒュー·ライマン氏です。
How an 83-Year-Old Inventor Beat the High Cost of 3D Printing
こちらが、試行錯誤の上作られたライマン押出成形機Ⅱ。
キログラムごとに、樹脂ペレットを購入するとなるとコストは10ドル/kg。25キロのまとめ買いをすると、フィラメントの材料費は5ドル/kgまで下がるとのこと。素晴らしいの一言です。
ちなみに動き方はこちらの動画のようになります。
ライマン押出成形機Ⅱは、オープンソースになのでThingiversからデータをダウンロードすることができます。
ヒュー·ライマン氏は、今後更にパワーアップしたライマン押出成形機Ⅲを作る計画をしているとのこと。「3Dプリンタ材料は価格が高い」と思われていた時代も、このような流れの中で大きく変化をしていくことでしょう。
それでも木質3Dプリンタフィラメントの開発・販売事業はおススメ
「可能性はどんどん広がる!3Dプリンタの材料に「木」も登場」の記事は、予想通り大きな反響がありました。
この40%リサイクル木材、60%無害ポリマーの3Dプリンタフィラメント、なんと8,000円/kg以上します。
一方、木質ペレット関連事業に関する全国調査から、木質ペレットのkgあたりの価格を見てみるとこのような価格が並びます。
当然ですが、木質ペレットはエネルギー利用をするわけなので価格は安いわけです。
一方、先ほどのフィラメント8,000円/kgとペレットの最高値60円/kgの価格差を計算してみるとなんと130倍以上!!!
このようにエネルギー利用とマテリアル材利用という意味で、価格は全く違ってきます。つまり大きな事業チャンスであり、地域の産業とできる可能性があるわけです。
ただ当然、材料の強度の問題や今回ご紹介したオープンソースのフィラメント押出成形機なども登場してくる(価格が大幅に下がる)リスクは存在します。
しかし、それでも可能性としては大きく、林業を行う地域が取り組むには非常に良いテーマでしょう。