アトム(原子)からビットへ。「モノ」は、加速的に「情報」になっていきます。
3Dプリンタ業界の雄であるShapewaysが、GoogleやSkypeに投資していた著名な投資家・アンドリーセン·ホロウィッツなどから、300万ドルの資金調達をしました。
Advancing the Mission of Shapeways: 3D Printing for Everyone
上の図にあるように、Shapewaysは、現時点でここまで成長してきています。
・3Dプリントできる3Dデータは100万以上
・今も毎月6万以上の3Dデータがアップロードされている
・Shapewaysで3Dプリントできる素材は30以上
・3Dデータのお店は1万以上
・これらの在庫のないショップの収益は、2012年50万ドルに達した
・Shapewaysの従業員は80人を超えた
ショップも今改めて見てみると、創造性溢れる面白い商品が多く並んでいて、見ていてワクワクしますね。ちなみに、ショップオーナーは、在庫を持つ必要がありません。注文があったものは、Shapewaysが3Dプリントして送ってくれるからです。
Shapewaysが調達した資金は、更なる工場の建設や、材料の研究などに使われていくとのこと。Shapewaysの動向に益々注目です。
「個」に力を与えるモデルかどうか?
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3Dプリンタ業界に様々な動向がありますが、私がShapewaysに注目する大きな理由の1つは、「個」に力を与える点です。
21世紀型の事業モデルは、「企業」に力を与えるというよりも、「個」に力を与えていくモデルなのかどうか?が1つポイントだと思っています。
現代は、国家、企業、チーム(コミュニティー)、個人という社会的レイヤーが存在しており、そこにある種のコンフリクトが生じています。そして、それぞれの意見は、当然ある側面から見れば正しいので、一体どれが本筋なのかがよく分からなくなっているのです。
しかし、それらもシンプルに考えれば、答えは明白で「そもそも何のためなのか?」というところに行き着きます。結局は「人間の幸せ」のためであることは自明なわけです。ここに多くの人は意識的、無意識的関わらず気付いており、その流れは止めることはできません。
20世紀が、国家、企業の時代だとするなら、21世紀は、個人、そしてその個人がつながり合ったネットワーク及びチーム(小さな組織)でしょう。
つまり、21世紀は、企業から個人へとパワーシフトが行われていくわけです。これが時代の要請でもあります。
もっと言うならば、企業に使われていた個人が、企業を使うようになるのです。
この流れをサポートするようなモデルはこれからもスポットを強く当てていきたいと思っています。